UXデザインプロセス – 7ステップ【実用ガイド】
UXデザインプロセス とは、製品のUX(ユーザーエクスペリエンス)をつくる上で必要な体系的、反復的、構造化された一連の行動のことです。チームが繰り返しやすいプロトコルに従い、組織の品質基準を満たした製品を提供することができます。
デベロッパーがアプリ構築で使用するのと同じコンポーネントを用いてプロトタイプを作成することで、デザインプロセスをスピードアップすることができます。厳しい納期にも対応可能で高品質な製品をリリースしましょう。こちらからUXPin Mergeについてぜひご覧ください。
UXデザインとは
UXデザイン(ユーザーエクスペリエンス・デザイン)とは、ユーザーがデジタル製品上で抱える課題を解決するためのデザイン手法です。この人間中心のデザインアプローチにより、デザインチームは単なる思い込みではなく、ユーザーのニーズに基づいた正確な意思決定を行うことができるのです。
ここで重要なのは共感で、人間中心のアプローチの核心でもあります。UXデザイナーは、ユーザーがデジタル製品を使って達成したいことや、その過程で遭遇する可能性のあるペインポイントを理解しないといけません。
UXデザインプロセスとは
UXデザインプロセスは、UXデザインチームがプロジェクトを完成させるために使用する、反復的なステップバイステップの方法論であり、デザイン思考プロセスから派生したものです。デザイン思考プロセス同様に、UXデザイナーはユーザーの目線に立ち、ビジネス内容や背景などについて把握しながら問題のスコープ(範囲)を確定することに時間をかけます。
UXデザインプロセス と デザイン思考プロセス
デザイン思考プロセスは、人間の問題に対するユーザー中心のソリューションを開発するための5段階のプロセスです。一方、UXデザインプロセスはUXプロジェクトを実現するためにデザイン思考を取り入れた、多くの段階からなるエンドツーエンドの手法です。
UXデザインプロセスは、デザイン思考の原則をベースにしていますが、その手順や方法は微妙に異なります。
UXデザインプロセス の重要性
以下に、企業がUXデザインプロセスを標準化する理由を挙げてみましょう:
- プロジェクトが品質と一貫性の基準を満たしていることを保証する
- デザイナーが確実に偏見や思い込みにとらわれずにソリューションをデザインできるようにする
- デザイナーが多くのアイデアをテストして反復することで、最善策を見つけられるようにする
- チームや部門間の連携を促進する
- 決められたプロトコルに従うことで、手戻りのリスクを下げる
- ステークホルダーがプロジェクトの進捗状況を把握できるようにする
- 隠れたリスクと機会を特定する
UXデザインプロセスでの 7ステップ
典型的な UXデザインプロセスには、「製品の目標決定」から「デザインハンドオフ」、そして「すべてが意図したとおりに機能するかの確認」までの、7つのステップがあります。
ステップ1:プロジェクトと範囲の確定
UXデザインプロセスの最初のステップでは、チームメンバーと(通常は以下のような部署からの代表者で構成されるような)複数の部署のステークホルダーとプロジェクトの目標と範囲を決めます:
- ビジネス – プロジェクトのビジネス要件と目標を説明する
- デザイン – 製品に期待されることのデザインや管理の前に、すべきことを伝える
- 製品 – コンテクストを共有し、デザインに必要なタイムラインとリソースの計画を支援する
- 技術 – UX デザインの実現可能性と技術的制約を確定する
この初期のデザイン段階では、新製品または新機能が解決すべき問題を特定することを目的としています。製品チームは、プロジェクトの範囲、計画、成果物、納期の概要の説明もします。
ステップ2:リサーチの実施
次に、デザイナーはあり得るソリューションを見つけるために問題についてのリサーチをしますが、この段階では、UXデザイナーは以下のようなリサーチを行います:
- ユーザーリサーチ:ターゲットとするユーザーを調査し、どのような人物で、何が必要で、どのような状況で活動しているかを理解する。この調査の結果、ユーザーペルソナ、ジャーニーマップなどである。
- 市場調査:市場を分析し、市場のセグメンテーションと製品の差別化を決定する。
- 競合調査: 競合他社が同様の問題をどのように解決しているかを理解し、機会を特定するための競合分析。
- 製品調査: 既存製品のインサイトやアナリティクスを分析して、ユーザーの行動を理解する。
ステップ3:ソリューションの大まかな下書きを作成する
ユーザー、市場、競争環境を明確に理解することで、デザイナーはソリューションがどのようなものになるかの大まかな下書きを作成できます。これは「アイデア出し段階」とよく呼ばれ、デザイナーは、アイデア出しの初期段階で紙とペンを使い、多くのアイデアを手短に反復します。
その低忠実度テクニックには、以下のようなものがあります:
- スケッチ:UI(ユーザーインターフェース)の手描きスケッチ
- ペーパープロトタイプ: プロトタイプの紙版
- ワイヤーフレーム: 基本的な線と形を特徴とするペーパープロトタイプのデジタル版
- 忠実度の低いプロトタイプ: ユーザーフローと情報アーキテクチャをテストするのにワイヤーフレームを使うデジタルプロトタイプ
チームはまた、特定の問題を迅速に解決するためにデザインスプリントを使う場合もあります。
ステップ4:忠実度の高いモックアップとプロトタイプをデザインする
次に、UIデザインチームはワイヤーフレームをモックアップに変換し、最終製品のような外観と機能を備えた忠実度の高いプロトタイプを構築します。その際、会社にデザインシステムがある場合、デザイナーは コンポーネントライブラリを使用してインタラクティブなプロトタイプを作成します。
ステップ5:ユーザビリティテストの実施
忠実度の高いプロトタイプの主な目的は、ユーザビリティテストです。UXデザイナーは、以下のプロトタイプを実際のユーザーでテストします:
- アイデアの検証
- ユーザビリティの問題の特定
- アクセシビリティのテスト
なお、ステップ2から5は反復可能であり、テスト結果を用いて、デザイナーはステージ2や3に戻り、有用性、持続可能性、実現可能性の基準を満たすソリューションが見つかるまで、アイデアを反復します。
ユーザーテストは第5段階ですが、デザインチームはアイデアや仮説を検証すべく、UXデザインプロセスを通して複数のテストを実施することに注意しておくことが重要です。そしてそのテストには、チームメンバーとの内部テストや、ステークホルダーとアイデアやプロトタイプを共有してフィードバックを得ることも含まれます。
ステップ6:デザインハンドオフの実行
UXデザインプロセスも終盤に近づくと、『デザインハンドオフ』をするときがきます。デザインチームは、エンジニアリングのプロセスを始めるために、プロトタイプとドキュメントを開発チームに引き渡します。
デザインハンドオフは UX のプロセスの終盤に近いですが、デザイナーとエンジニアは、デザインから開発への移行を効率化すると同時に、デザインが確実に技術的制約を満たすようにすべく、アイデア出しの段階から連携を始めます。そして彼らの連携は、コミュニケーションをしやすくするような様々なツールによって促進されます。
デザイナーとデベロッパーの連携をダメにする5つの間違いについてもぜひお読みください。
ステップ7:製品の発売
UXデザインのプロセスの最終段階は、発売と新リリースの明確な検査であり、新しいリリースがプロジェクトのビジネス目標、ユーザー体験、アクセシビリティの要件を満たしていることを確認する時です。
優れた UX デザインプロセスのベストプラクティス
UXデザインのプロセスは、どの組織、プロジェクト、チームにとって全て同じというわけではないかもしれませんが、以下のようにプロセスを効率化するためにデザイナーが従うことができるベストプラクティスがあります。
ユーザー中心思考を適用する
デザイナーは、エンドユーザーをデザイン決定の中心に据えて、デザインが確実にユーザーのニーズを満たすようにしないといけません。この人間中心の考え方により、無関係なUIコンポーネントや機能のコストは削減され、ユーザーは本当に欲しいと思える製品を手に入れることができます。
共感を実践する
ユーザー中心の考え方を維持する方法の1つに「ユーザーへの共感」があります。デザイナーが UXデザインプロセスを進めるにつれて「ユーザー中心」から、「見た目は素晴らしいが特定のユーザーニーズを満たしていない機能のデザイン」に流れてしまうことがあります。
そのため、UXデザインプロセスを通じて共感を実践することで、デザイナーはユーザーのペインポイントの解決に集中し続けることができるのです。
デザインシステムを構築する
デザインシステムは、組織全体の一貫性と整合性を高めながら、市場投入までの時間を大幅に短縮することができます。デザインシステムをゼロから構築する余裕がない場合は、MUIや Bootstrapのようなテーマ設定可能なオープンソースのコンポーネントライブラリを使用することを検討しましょう。
ちなみに UXPinには、デザインチームがモックアップやプロトタイプを簡単にと作成できるように、Material Design UI、Bootstrap、iOS、Foundationなどのデザインライブラリが組み込まれています。
デザイナーが開発コンポーネントの完全に機能するプロトタイプを構築できるように UXPinのエディターとコンポーネントライブラリを統合する機能である UXPin Merge を使うと、プロトタイプのクオリティは高くなります。
デベロッパーとの連絡と連携
UXデザインプロセスを成功させるには、コミュニケーションと連携は必須であり、デザイナーは他のデザインチームと連携しながら、エンジニア、ビジネスマネージャー、プロダクトチーム、ステークホルダーとオープンなコミュニケーションを取らないといけません。
そこで、DesignOpsにより、円滑なコミュニケーションや連携が促進されると同時に、時間を要するその他の運用・管理タスクまでもが効率化されます。
UXPinによる UXデザインプロセス の強化
UXプロセスがうまくいくかは、デザインチームが速やかに変更を加えて反復できるツールにかかっています。UXPin はエンドツーエンドのデザインソリューションであり、UXデザインプロセスの各段階にも対応できる機能をお使いいただけます。
完全にインタラクティブなプロトタイプ
デザイナーは、UXPin にあるデザインライブラリのいずれかを使うか、デベロッパーのコンポーネントライブラリをインポートし、すぐにプロトタイピングを開始することができます。UXPin はコードベースのため、プロトタイプは画像ベースのデザインツールよりも忠実度が高く、より多くの機能が備わっています。
質の高いユーザーテスト
コードベースのプロトタイプを使うことで、UXデザイナーは正確でより包括的なテストを実施できます。テストの質が上がることで、最終製品で起きるかもしれないエラーやユーザビリティー上での問題が少なくなります。
洞察に満ちたステークホルダーのフィードバック
UXデザインのプロセスにおいて、ステークホルダーからのフィードバックは非常に重要ですが、プロトタイプが直感的でなければ、ステークホルダーは購買意欲や資金調達に影響を与える可能性のあるデザインコンセプトを理解するのが大変になります。
UXPinを使っているかどうかにかかわらず、プロトタイプには、他の一般的なデザインツールよりもはるかに高い忠実度とインタラクティブ性があります。その結果、デザイナーはステークホルダーから実用的なフィードバックを得ることができるのです。
UX デザインのプロセスのレベルを上げよう
UXPin Mergeにより、デザイナーはテスト中により良い結果を得ることができ、同時にデザインのハンドオフを効率化できるため、市場投入までの時間とコストが削減されます。
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