ユーザーの ペインポイント を見つけるためには?
ユーザーが抱える問題は、あらゆるデザインプロジェクトの基礎となるものであり、その問題を解決することで、製品の使い勝手やデザイン性を高め、ビジネス価値を創り出すことができます。
顧客のペインポイントを特定する一番いい方法は、包括的なプロトタイプとユーザビリティテストです。デザイナーは、テスト結果と他のUXリサーチからのインサイトを用いて、問題解決のためのソリューションを繰り返し提案します。
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ユーザー の ペインポイント とは
ユーザー の ペインポイント とは、ユーザーが製品との関わりの中で経験する問題、摩擦、ボトルネックのことであり、そのペインポイントは、以下のように製品に直接または間接的に関連している場合があります:
- 直接的な ペインポイント :(例)ユーザーがタスクを完了できない
- 間接的な ペインポイント :(例)ネットワーク接続、つまりログインできない
ネットワークのような間接的な問題は製品の故障ではありませんが、デザイナーは例えば、「重要な情報をユーザーのデバイスに保存して、オフラインで取り出せるようにする」というように、こういった問題を最小限に抑える方法を見つけないといけません。
ユーザーのペインポイントの種類
NNグループのサラ・ギボンズ氏は、ユーザーのペインポイントの3つのレベルについて以下のように説明しています:
- インタラクションレベル:組織の製品やチームメンバーとのインタラクションに関連するペインポイント。
- ジャーニーレベル:カスタマージャーニーやユーザージャーニーに関連するペインポイント。
- 関係性レベル:顧客がブランドとの付き合いの中で経験するペインポイント。
各レベルには、以下の4種類のペインポイントがあります:
- 金銭面
- 製品面
- プロセス面
- サポート面
金銭面でのペインポイント
金銭面でのペインポイントは、ユーザーを締め出す(有料コンテンツの)壁やプレミアムサービスに関するものです。このような金銭面でのペインポイントはイライラを招きますが、企業は生き残るためにお金を稼がなければならないので、必要なことなのです。
これを軽減する方法のひとつは、透明性を保って、ユーザーを「だます」ことやイライラを与えるようなことを避けることです。例えば、多くの製品では、ユーザーは有料のタスクを開始することができますが、それにはアップグレードが必須です。このプロセスは、時間を食うし、金銭的なペインポイントも増えます。
製品面のペインポイント
製品面のペインポイントとは、例えば、ユーザーがタスクを完了するのに大変な思いをしたり、アプリがクラッシュするなど、ユーザーが製品を使う時に不満を感じる品質、パフォーマンス、ユーザビリティの問題を指します。
この4つのタイプのうち、製品面のペインポイントはUX(ユーザーエクスペリエンス)に大きな影響を与え、最終的にコンバージョン率、リテンション、NPS(ネットプロモータースコア)、顧客チャーンなどの他のビジネスメトリクスに影響を与えます。
製品面のペインポイントを特定して解決するには、ユーザーリサーチとテストが重要です。また、デザイナーは、ユーザビリティやパフォーマンスの問題について、定期的なUX監査が必要です。
プロセス面のペインポイント
プロセス面のペインポイントは製品面のペインポイントと繋がりますが、個々のUI(ユーザーインターフェース)やユーザビリティではなく、ユーザージャーニーとナビゲーションに焦点が当てられています。
その目的は、ユーザーが最小限の努力でタスクを完了できるように、このようなプロセスを最適化することですが、重要なタスクやジャーニーに認知的摩擦を適用するような例外もあります。
カスタマージャーニーマップとユーザーテストは、プロセスの問題点を特定し、解決策をデザインする上で重要な役割を果たします。
サポート面のペインポイント
サポート面のペインポイントは、ユーザーの質問や問題に対する組織の対応に関連します。製品の問題や理解度によってユーザーがタスクを完了できない場合、どのように解決策を見い出せばいいのでしょうか?
組織では、ユーザーが解決策を見出すために、以下のような手厚いサポート術が使われます:
- 「よくある質問とその回答」
- 製品ドキュメント
- 『エラー』、『警告』、『成功』などの製品メッセージ
- ブランドのコミュニティ/フォーラム
- カスタマーサポートのチャンネル
デザインチームは、ユーザーが必要なときにこのようなサービスを見つけ、できるだけ早く問題を解決するための明確なメッセージと指示を提供できるようにすることが必要です。
ユーザー の ペインポイント 調査方法
ユーザーのペインポイントを見つけるには、デザインチームは、リサーチ手法をいくつか駆使しなければいけません。
ユーザーペルソナ
ユーザーペルソナは、誰の問題を解決するのかを把握するための重要な第一歩であり、デザインチームは、ペルソナで以下のようなユーザーの概要を得られます:
- 背景
- 目標
- 動機
- フラストレーション(ペインポイント)
- 人口統計
- 製品データ
製品分析、ヒートマップ、その他のデータで、デザインチームは問題やボトルネックの特定ができ、このデータは、いつ、どこで、どのようにペインポイントが発生するかの把握に重要です。
ユーザーインタビュー
ユーザーインタビューで、ユーザーが特定の問題を経験する理由を理解し、空白を埋めることができます。デザイナーは、ユーザーの回答が偏らないように自由な質問をすることで、正確なフィードバックを得ることができます。
また、このようなインタビューで、製品チームは人々の不満やそれが生活に与える影響を聞くことができるので、共感しやすくなります。
定性的な市場調査
定性的な市場調査では、特定の市場におけるユーザーの行動を調べ、問題(ペインポイント)と機会を探ります。そしてUXリサーチャーは、以下のような方法をいくつか用います:
- フォーカスグループ
- 調査/アンケート
- ユーザーインタビュー
- 市場関連コミュニティ・フォーラム
- SNS
- データ分析
サービスサファリ
サービスサファリとは、UXデザイナーが顧客になりきって、ユーザーの視点から製品体験を理解する没入型のリサーチ手法です。UXチームは、自社製品や競合他社のサービスサファリを実施し、ペインポイントやビジネスチャンスを特定します。
現地調査
問題解決の一番の方法は、多くの場合、ユーザーの環境下でユーザーの視点からその問題を体験することです。UXリサーチャーは、製品が実際に使われる場所に行き、彼らの行動や環境上の課題を観察します。
ユーザージャーニーマップ
ユーザージャーニーマップで、デザインチームのプロセスの可視化や、問題の特定が可能になります。ジャーニーマップは、デザインチームがペーパープロトタイプを作成し、解決策を反復するためのアイデア出しに不可欠です。
カスタマーサポートチケット
カスタマーサポートチケットは、よく製品のペインポイントを見つけるのに最適な場所になります。UXデザイナーは、そのチケットから、製品のリリースによって問題が解決されたかどうか、つまり、その特定の問題に対するカスタマーサポートチケットの停止または減少の動きを判断することもできます。
製品レビュー
製品レビューもまた、問題点の特定に優れたリソースです。デザイナーは、自社製品のレビューを分析して問題を解決したり、競合他社の製品を調査して機会を特定したりすることができます。
ユーザーのペインポイントを解決するヒント
複数のデータポイントを利用する
問題の特定には、UXチームは常に複数のデータポイントに頼らなければならず、UXリサーチャーは、ペインポイントの特定、優先順位付け、理解のために、上記のリサーチ方法を複数使う必要があります。
例えば、インタビューはユーザーの視点から問題を理解するには最適ですが、ペインポイントの特定や優先順位付けにはサンプル小規模すぎるため、信頼性に欠けます。1ユーザーがインタビューの中で問題を表明しても、その問題がより広い顧客層に反映されるとは限らないですからね。
ユーザーの声を積極的に聞く
ユーザーの問題を理解するには、フィードバックが重要であり、UXデザイナーには、このフィードバックを集めるのに、チャット、お問い合わせフォーム、インタビュー、アンケートなど、多くの手段があります。
Feature Upvoteのようなツールは、製品チームによるフィードバック収集や、ユーザーによる最も重要な機能や修正への投票を実現するものであり、そのフィードバックで、ユーザーのニーズに合わせたペインポイントの優先順位を決めることができます。
透明性の確保
顧客向けの変更履歴や製品ロードマップは、「特定の問題を認識していること」と、「いつまでに解決する予定であること」をユーザーに伝えます。このような透明性によって、ブランドの信頼を築きながら、期待を管理することができます。
テストに次ぐテスト
デザイナーは、デザインプロセスのあらゆる段階で、プロトタイプを使ってUI(ユーザーインターフェース)とフローをテストします。初期のテストでは、デザイナーはプロトタイプを使って、ペインポイントと機会を特定し、デザインプロセスの後半では、デザイナーは高忠実度のプロトタイプを使ってソリューションをテストし、反復します。
ペインポイントの的確な解決に向けて、UXPinでプロトタイプを改善しよう
従来のデザインツールの問題は、A) ペインポイントの正確な診断と、B) デザインソリューションが問題を解決しているかどうか を判断するための忠実度と機能性が欠けていることです。プロトタイピングツールと最終製品の間が繋がっていないということは、デザイナーが正確な結果とインサイトを得られないということです。
また、お粗末なプロトタイプは、デザインがビジネス要件を満たしているかどうかの判断や、賛同を得るのに重要なステークホルダーのフィードバックにも影響を及ぼします。
画像ベースのツールとは異なり、UXPinではデザイナーがインタラクティブなプロトタイプを作成することができます。この没入型プロトタイプは、UX(ユーザーエクスペリエンス)が最終製品と区別できないため、正確なテストが可能であり、プロトタイプの作成範囲が広がるとともに、ユーザビリティ担当者やステークホルダーから有意義なフィードバックが得られます。
高度なプロトタイプ機能
以下のUXPinの4つの機能は、他の一般的なデザインツールとは異なり、デザイナーが高度で高品質なプロトタイプを構築できるようにするためのものです:
- ステート:デフォルト、アクティブ、ホバー、無効などのシンプルなコンポーネントの状態の作成や、完全に機能するアコーディオン、マルチレベルのドロップダウン ナビゲーション、カルーセルなどの複雑なUIパターンの構築が可能。
- インタラクション:トリガー、アニメーション、アクションなど、コードに匹敵する完全なインタラクションコンポーネントのデザイン。
- 変数:テキストフィールド、チェックボックス、セレクタ、ラジオなど、UXPinのフル機能のフォームからユーザーの入力を取得し、このデータを使って動的なインタラクションを引き起こしたり、ユーザーの名前を含む個別化されたウェルカムメッセージなど、プロトタイプの別の場所で使ったりできる。
- エクスプレッション:Javascriptのような関数を作成して、フォームの検証、計算用コンポーネントの構築、パスワード/メールの入力条件のチェックなどを実行。
APIでプロトタイプの幅を広げる
UXPinのIFTTT統合により、デザイナーはデザインツールの枠を超えて、プロトタイプを他のプラットフォームやAPIと連携させることができます。例えば、製品のデータベースから実際のデータを引き出したり、UXPinのプロトタイプから取得したユーザーのメールアドレスを使用して認証メールを送信したりすることが可能です。
APIの接続によってプロトタイプの幅が広がり、デザイナーはUXと解決すべき問題を正確に把握することができます。
正確なプロトタイプは、より多くの問題の解決だけでなく、より良いワークフローとエンジニアリングの連携を生み出すことができます。より少ない文書と、より少ない前後のコミュニケーションで、エンジニアはよりスムーズで摩擦のないデザインハンドオフを実現できるのです。
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