ユーザビリティテスト とは?成功させる6つの秘訣
ユーザビリティテスト は、デザイン思考のプロセスにおいて重要な役割を果たします。UX チームにとって、問題を解決しようとしている人達に自身のソリューションを発表する機会であり、緊張と興奮を伴う経験です!
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ユーザビリティテスト とは
ユーザビリティテスト(「ユーザビリティ調査」とも呼ばれる)は、実際のユーザーを使って UI(ユーザーインターフェース)やフローをテストします。その際に UX リサーチャー(モデレーターまたはファシリテーター)は、参加者の行動や振る舞いを観察しながら、(通常はデジタル製品のプロトタイプ上で)一連のタスクを完了するよう依頼します。
モデレーターは、UX リサーチャーがプロトタイプを使う際に、その人がどのように考え、感じているかを理解できるように、参加者の考えや行動の言語化をお願いする可能性があります。
UXチームが ユーザビリティテスト を実施する理由
ユーザビリティテストは、UX チームに、以下のような貴重なフィードバックとユーザーインサイトをもたらします:
- ユーザーの問題解決に向けたデザインコンセプトの検証
- 修正すべきユーザビリティの問題の露呈
- 改善の機会の発掘
- ユーザーについての更なる理解
ユーザビリティテストは、テスト、問題の露呈/ユーザーについての学習、調整、再テストを繰り返すプロセスです。
また、エンジニアが開発プロセスを開始するデザインハンドオフまでに、プロトタイプを可能な限り修正改善することを最終目標としています。
「 ユーザビリティテスト 」と「UX テスト」
「ユーザビリティテスト」と「UX(ユーザーエクスペリエンス)テスト」の違いについては、よく混乱や議論が見られます。この用語は、異なる分野のテストを指すため、同じ意味で使うのは正しくありません。
- ユーザビリティテスト :UI、ナビゲーション、マイクロインタラクションなど、製品の使いやすさと性能のテスト
- UX テスト :デジタル製品を使用する際のユーザーの楽しさや満足度のテスト
この2用語の定義は異なりますが、UX リサーチャーは【ユーザビリティ】と【UX(ユーザーエクスペリエンス)】 を同時にテストします。
例えば、ある UX リサーチャーは、ユーザビリティ調査(ユーザビリティテスト)で参加者がどのようにタスクを完了するかを観察し、別のリサーチャーは、ユーザーの行動や振る舞いを研究します(UX テスト)。
この2つは、製品テストの際に考慮すべき重要なメトリクスです。ユーザーがあるタスクを完了できれば、UX デザイナーはこれを「よくできた」と思うかもしれませんが、その過程でもしユーザーが不満を抱いていたとしたらどうでしょう。より優れた UX を持つ競合製品に乗り換えられてしまう可能性がありますよね。
ユーザビリティテスト の種類
ユーザビリティテストの方法は、主に以下の2つがあります:
- モデレートテスト
- 非モデレートテスト
UX チームは、この2つの方法をリモートおよびユーザビリティラボ (対面)テストに適用することができます。
モデレート
モデレートのユーザビリティテストでは、ファシリテーターが参加者と対話し、観察したり質問したりしながらタスクを完了するよう依頼します。
また、UXチームは、ラボや Zoom、Skype、または専用のテストツールを使ってリモートでユーザビリティ調査を実施できます。
利点:
- 参加者がタスクを理解し、正しく完了することを保証する。
- 参加者の行動、反応、振る舞いについて質問するなど、参加者と関わることができる。
- 上記のポイントは、UX チームに正確で有意義なフィードバックをもたらす。
欠点:
- 会場探し、参加者、チームスケジュールとの調整、機材の手配など、多くの計画が必要。
- より多くのリソースを必要とするため、テストのコストが上がる。
- コストや時間的な制約から参加者が限られる。
非モデレート
モデレートされていないユーザビリティテストでは、ファシリテーターは不在ですが、参加者に一連のタスクを完了するように指示を与えます。
参加者は、ラボ環境、フィールド(ユーザーが製品を通常使用する場所)、またはリモートでタスクを完了する可能性があります。
利点:
- リサーチャーは複数の参加者を同時にテストできる
- 少ないリソースで、モデレートされていないテストが大幅に安くなる
欠点:
- 被験者がガイダンスなしにタスクや指示を理解することに依存するため、タスクが完了しなかったり、テスト結果に一貫性がなかったりする可能性がある。
ユーザビリティテスト の方法
カードソーティング
カードソーティングは、要素の階層性をテストし、情報アーキテクチャを確立するための初期段階のユーザビリティ手法です。
モデレーターは、参加者が仕分けできるように、トピックまたはカテゴリのグループを(通常は重要度別または関連性別のグループ)を提示します。
ペーパープロトタイプ
ペーパープロトタイプは、UX チームがユーザーフローや情報アーキテクチャをテストする、初期段階のユーザビリティ手法のひとつです。
ちなみに、ユーザビリティテストには費用がかかり、ペーパープロトタイプでは有意義なユーザーフィードバックが得られないことから、UX チームが参加者とともにペーパープロトタイプをテストすることはほとんどありません。
ただし、ペーパープロトタイプは、ユーザーのナビゲーションの期待値を知る上で、何らかのヒントを与えてくれます。
デジタル Lo-Fi プロトタイプテスト
デジタル Lo-Fi プロトタイプでは、一連のワイヤーフレームを使ってユーザーフローとシンプルなナビゲーションをテストしますが、ペーパープロトタイプと同様、Lo-Fi プロトタイプでは UX に関する限られたフィードバックしか得られません。
Hi-Fi プロトタイプテスト
高忠実度(Hi-Fi)プロトタイプをテストすることで、UXチームは正確で有意義なフィードバックが得られます。また参加者は、最終製品の完全に機能するレプリカを使ってタスクを完了します。
デザイナーは UXPin Merge で、「デザイン要素」を「最終的な製品の機能を備えた忠実度の高いプロトタイプを作成するためにデベロッパーが使うインタラクティブなコンポーネント」とつなぐことができます。コードコンポーネントでデザインすることで、参加者は他のどのデザインツールよりも優れたUXPinプロトタイプと対話することができるのです。
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クリックトラッキング(クリックの追跡)
クリックトラッキングは、ユーザーがプロトタイプのどこをクリックやタップしたかを調査するものであり、UX デザイナーはこの情報を使って、参加者が最も頻繁にクリック又はタップする場所を確認することができます。
また、クリックトラッキングで、リンク構造の検証や、参加者がボタンや CTA(Call To Action)を簡単に識別できるかどうかを確認できます。
アイトラッキング(目線の追跡)
UXリサーチャーは、アイトラッキング装置を用いて、参加者が UI をどのように探索するか、あるいはどの要素が最初に目に留まるかを調べます。このような知見によって、UX デザイナーは画面レイアウトの優先順位や CTA の配置を決めることができます。
ユーザビリティテスト を6つのステップで成功させる方法
ユーザビリティテストでは、計画と目標を持つことが極めて重要です。計画と目標がないと、UX リサーチャーは何をテストすればいいのか、テスト結果の価値は何なのか知る由もないですからね。
そこで、ユーザビリティテストを以下のような簡単な6ステップに分けてみました:
- 目標の確定
- テストの選択
- ユーザータスクの作成
- リサーチ計画書の作成
- テストの実施
- レポート原稿の作成
1:目標の確定
最初のステップは、ユーザビリティ調査の目標の確定です。この目標は、例えば、以下のような大まかな質問や具体的な質問を投げかけます:
- 大まかな質問:どのチェックアウト法がユーザーの完了が一番速やかになるか
- 具体的な質問:ボタンをアニメーション化するとクリック率が上がるか
例えば、eコマースのチェックアウトフローのテストや、新規ユーザーの登録プロセスのテストなど、ゴールに優先順位をつけて、答えたい特定の質問に限定してテストを行うことが重要です。
ユーザビリティテストのセッションを最大限に活用し、できるだけ多くのフィードバックを得たいところですが、それではユーザーの疲労や不正確な結果を招きかねません。
2:正しいテストの選択
何をテストしたいのかが分かれば、適切なユーザビリティテストの方法を選ぶことができます。
ちなみに、無料のEブックである『The Guide to Usability Testing(ユーザビリティ・テストガイド)』では、30種類のユーザビリティテスト手法の概要が説明されており、どの手法をいつ適用すればいいのかが解説されています。
そこでは、ユーザビリティテストは以下の4つのカテゴリーに分類されています:
- 説明付き:設定された指示に基づき、具体的な目標や個別の要素で、ユーザーの製品との対話を分析する。(例:ツリーテスト、廊下テスト、 ベンチマークテスト)
- 非文脈化:予備的なユーザーテストやユーザーリサーチ(ユーザーテストとユーザビリティテストの違いを参照)に最適。必ずしも製品に関わるものではなく、一般的で理論的なテーマを分析し、アイデアの創出や幅広い意見を対象とする。(例:ユーザーインタビュー、アンケート、カードソートなど)
- 自然(または自然に近い):リサーチャーは、ユーザーが製品を最も頻繁に使う環境においてユーザーを分析する。このテストでは、ユーザーがどのように行動するかを調べ、それによって、コントロールの代償としてユーザーの感情を正確に把握できる。(例:フィールドテスト、日記テスト、A/Bテスト、ファーストクリックテスト、βテスト)。
- ハイブリッド:従来の方法を捨てて、ユーザーのメンタリティを特徴的にとらえる。(例:参加型デザイン、短時間暴露記憶テスト、形容詞カード)。
テスト方法を選択したら、チームと共有し、目標と戦術をユーザビリティ計画書にまとめます。
3: ユーザータスクの作成
ユーザビリティテストでは、質問や言い回しなど、参加者に提示するものすべてが、参加者の反応に影響します。
ユーザビリティのタスクには、オープンなものとクローズなものがありますが、テストでは、その両方をうまく組み合わせる必要があります:
- クローズ:解釈の余地が少なく、例えば「12人収容できる会場を探す」というような、成功か失敗かが明確に定められた問題が与えられ、定量的で正確なテスト結果が得られる。
- オープン:参加者にはオープンタスクをこなす方法がいくつかある。例えば「お友達は Optimal Workshop(ユーザー調査のプラットフォーム) のことを話しているけど、あなたは使ったことがないみたいだから、どのように機能するのか調べてみてましょう。」といったような『サンドボックス』スタイル(プログラムがシステムの他の部分に悪影響を及ぼすことのないように設計された環境)のタスクであり、 定性的で、時には予想外の結果を生み出す。
また、モデレーターは、偏った考えを与えないように質問の言い回しに気を配る必要があります。
例えば、あるECストアで、ユーザーが母親へのプレゼントをどのように見つけるかを知りたいとします。もし、「当店で母の日のギフトを検索していただけますか」というような質問をすると、参加者が自然な直感に従うのではなく、検索機能を使うことを示唆することになるかもしれません。それに、この質問は、質問というよりも、指示のように聞こえますね。
なのでこの質問は、「当店での母の日ギフトはどのように探しましょうか。」という言い方がいいかもしれません。
4: ユーザビリティ 調査計画書の作成
ユーザビリティ調査計画書は、以下の7項目がないといけません:
- 背景:ユーザーリサーチに至った理由や経緯について、一段落で記述する。
- 目標:この研究で何を達成したいかを箇条書きでまとめる。目標は客観的かつ簡潔に。例えば「新しいチェックアウトプロセスがユーザーにどのように好まれているかをテストする 」ではなく、「新しいチェックアウトプロセスが初めて利用するユーザーのコンバージョンにどのように影響するかをテストする 」と書く。
- 質問:この研究で答えてほしい質問を5〜7個程度挙げる。
- 戦術:UXリサーチャーがテストを行う場所、時間、方法。この特定のテストを選択した理由を説明する。
- 参加者:行動特性など、研究しているユーザーのタイプを記述する。ペルソナを添付して、さらにコンテクストを深めることもできる。
- タイムライン:募集開始日、テスト開始・終了日時、ステークホルダーが結果を期待できる時期。
- テスト説明 :スクリプトが準備されている場合は、スクリプトを含めておく。
ステークホルダーからの提案やフィードバックを促し、確実に全員が納得して見落としがないようにしましょう。
さらに読む : The Plan That Stakeholders Love: The One-Pager.(ステークホルダーに愛されるプラン: ワン・ページャー(1ページでまとめられたもの))
5:テストの実施
以下は、ユーザビリティテストを実施するタイミングです:
参加者が快適に過ごせるようにする: 参加者に、自分の能力ではなく、製品をテストしているのだということを再度確認しましょう。事前に説明を作成することで、モデレーターの指示、フェイズ、トーンに一貫性を持たせることができます。
干渉しない :偏見を避けることができ、予測していなかったユーザー行動のインサイトを明らかにできるかもしれません。有意義なインサイトは、予想もしなかった方法で参加者が製品に接することから生まれます。人間の自然な行動を観察し、それが機能改善のインスピレーションになるようにしましょう。
セッションを記録する:チームは、後からユーザビリティ研究を見直す必要があるかもしれませんからね。
連携:レインボー・スプレッドシート(一瞬で色分けできるスプレッドシート)を使用して、各ユーザビリティ・テストの解釈を記録するといいでしょう。UXリサーチャーは、メモを比較して、共通する観察事項やユニークな観察事項を確認することができます。ちなみに、レインボースプレッドシートは、我がチームが Yelp の再デザインを行った際に、ステークホルダーのために結果を要約するのに効果的でした。(出典:Rainbow Spreadsheets by Tomer Sharon (トマー・シャロン氏によるレインボースプレッド)
6:レポートの作成
ユーザビリティ調査報告書は、結果をまとめてステークホルダーと共有するのに有効な手段です。
ここでは、ユーザビリティレポートを作成する際のポイントをご紹介します:
具体的にする:「ユーザーは適切な製品を購入できなかった」は、理由を説明していないため、あまり役に立ちません。例えば「検索バーが見つからなかったため、ユーザーは正しい商品を購入できなかった」など、UXの観点から具体的な問題を説明しましょう。
問題に優先順位を付ける:ユーザビリティの問題を分類し、優先順位を付けることで、デザインチームがどこから手をつけるべきかを把握しやすくなります。その際はナビゲーションの問題やレイアウトの問題などのレポートを分類し、優先順位に「低/中/高」がわかるカラーコードを使うことをお勧めします。
推奨事項を記載する:あとは、ステークホルダーに解決策があることを知ってもらえるように、ユーザビリティの問題を解決するためのチームの推奨事項を盛り込みましょう。
その他、ユーザビリティレポートを作成する上で考慮すべき点に以下のようなものがあります:
- 正式なユーザビリティレポート
- 内容を補足するチャート、グラフ、図
- 過去のテストドキュメント
- テストのビデオまたはオーディオトラック
UXPinを使ったユーザビリティテスト
UXPinは、包括的なデザインおよびプロトタイピングツールです。他のデザインツールとは違い、UXPin はワイヤーフレーム、モックアップ、プロトタイプ、テストの要件を満たすための プラグイン や アプリ を必要としません。
さらに、UXPin はさらに多くの機能を備えており、プロトタイプのステートやインタラクションを利用することで、参加者の製品インタラクションを強化し、有意義なフィードバックや結果を提供することができます。
UXPin の14日間トライアルにサインアップして、UXデザイン、プロトタイプ、ユーザビリティテストの全く新しい世界をぜひご体験ください!