チームを成功に導く デザインリーダー の人物像

チームを成功に導く デザインリーダー の人物像とは?

 デザインリーダー は、デザインチーム、UX(ユーザーエクスペリエンス)、そして最も重要な組織のユーザーを支えます。会社のデザインビジョンを描き、デザイナーが目標やマイルストーンを達成するためのロードマップを明確にしてくれるのです。

そこで本記事では、UXPin、Microsoft、Google、Yammer、O’Reilly Media、GitHubでリーダー職を務めた経験豊富な業界エキスパート2名からのアドバイスを交えながら、デザインリーダーの役割についてご紹介します。

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 デザインリーダー の仕事とは

 デザインリーダー は、組織内のデザインチームのビジョンと戦略を指導します。組織のデザインにおいての原則と基準を確立しそれらを守りながら、デザインチームが質の高い作品を提供できるよう導きます。

 デザインリーダー は、組織、製品、デザインチームのニーズによって異なる責務を担いますが、通常は企業のリーダーシップチームや役員とも密接に関わることから有力なデザインの提唱者でもあります。

以下は、 デザインリーダー の業務例です:

  • 組織のデザインビジョンと UX 戦略の設定
  • ユーザーニーズの解決に焦点を当てた人間中心的な思考をデザイナーに徹底させる
  • デザイン思考、問題解決、キャリア開発に関するデザインチームメンバーの指導とコーチングを行う
  • ポジティブなUXを維持し、それが CX(カスタマーエクスペリエンス)全体にどのような影響を与えるかを理解する
  • 製品開発プロセス全体にUXを統合するための部門横断的な連携
  • 上の人達と協力して、デザインのゴールとビジネスのゴールを一致させる
  • デザインの原則と基準を設定し、デザインチームが確実にそれを正しく適用して最高の作品を提供するようにする
  • 部門の予算とリソースの管理
  • デザイン人材の募集・採用・確保の監督
  • デザインプロジェクトやイニシアチブを、コンセプトから立ち上げまでリードする
  • 効果的で効率的なワークフローを構築し、高品質なプロジェクトを成功させる

 デザインリーダー になるための道のり

デザインリーダーになるには、通常、数年のデザイン経験と、デザインプロジェクトの成功やイニシアチブを発揮させた実績が必要です。

ここでは、企業がデザインリーダーを採用するときに求められる重要なステップをいくつかご紹介します:

  • しっかりとしたデザインの基礎がある: グラフィックデザイン、インダストリアルデザイン、UX デザインなどのデザイン関連分野での学士号を取得している。
  • デザイン担当の経験:様々なデザイン役割に携わることで、部門をリードするのに必要な知識、視点、専門性が身につく。
  • スキルアップ:デザインリーダーには常に学ぶ姿勢があり、特に、デザイン、技術、管理、ビジネス、リーダーシップのスキルアップを目指している。
  • リーダーとしての可能性の発揮:デザインリーダーになるには、チームやプロジェクトを率いる意欲と実績が必要。自ら積極的に行動して、実力を発揮したりスキルアップにつなげられる機会を得られるように、デザインリーダーを目指すことをリーダーシップやマネジメントに伝えなければならない。
  • 出世コース:デザインの基礎を固め、チームを率いることに成功したら、デザインマネージャーやディレクターを経て、最終的にデザインリーダーへの昇進を目指せるようになり、さらにその先には、副社長や経営陣のポジションがある。

有能な デザインリーダー が持つ資質とは?

2017年、UXPinの創設者であるマーシン・トレダー氏(現 GoogleのシニアUX デザインマネージャー)は、優れたデザインリーダーとは何かについて考えを綴りました。

彼は2017年に次のように書いています…

アフリカのことわざで “If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together” 訳:「速く行きたいなら一人で行き、遠くを目指すなら共に行け」というのがあります。効率性を損なわずに一体感を保つことは、デザインリーダーにとって最高峰の仕事です。

優秀なリーダーが持つ最終目標は、チームの成功であり、有意義なUXを常に市場に提供することです。

デザインリーダーシップの素晴らしさは様々ですが、その根底には共通の経験やスキルがあります。

みんなそれぞれまったく異なる組織で、全然違う製品を扱っているかもしれませんが、デザインリーダーとしての以下のような側面は変わりません:

成功に導くデザインリーダーは熟練の経験があり、過去の成功にとらわれず常に進化し続けることを目指している

優秀なデザインリーダーとは、「デザイナー」としてだけではなく、「デザインとチームに対して愛情をもって指導できる人」です。デザインプロセスを明確に理解し、ユーザーを助けるためのビジョンを創り出す決意を持った人です。

未経験・経験の少ないデザイナーを指導することは、信頼と尊敬を築く上でも大きな課題になり、それによって、戦術的なフィードバックやデザイナーのスキルアップのサポートなどで業務が一部大変になります。

とは言っても、このようなデザインリーダーがいないことも確かです(筆者はまだお会いしたことはないのですが、、、)。偉大なデザインリーダーは、大体チームを通してスケールアップすることで、より良い仕事ができることを見出す経験豊富な実務家です。

デザインリーダー とのコラボレーション

 デザインリーダー は、UXを直接デザインするのではなく、素晴らしいチームを形付けていくことで、間接的にUXをデザインします。自身のスキルアップよりもチームのサポートを優先して、組織のデザイン効率を作り上げるのに、次第に デザインの技術 に重点を置かなくなります。

デザインリーダーは、チームの仕事を通じて、間接的にデザインするのです。

2.成功に導く デザインリーダー は、寄り添う時間を惜しまない。

 デザインリーダーの主な役割は、自分自身をデザインの仕事から解放し、他の人が素晴らしい仕事ができるように、邪魔にならないようにする必要があるというところです。最高の デザインリーダー は、チーム内で最悪のデザイナーにならないといけないですね。

チームの能力育成は、組織におけるデザインのスケールアップへの最短距離ですが、それは簡単なことではなく「時間」と「聖人君子のような共感力」が必要です。チームに寄り添い、彼らが自分よりもずっとすごい存在になるよう手助けしないといけないのです。

3.成功に導く デザインリーダー は、伝達上手であり聞き上手でもある

経験上、デザイナーは大体「聞く担当」というよりは「伝達担当」であり、話を聞くにしても、コメントをする順番が来るのを待ちます。そして、コメントする際は、自分が正しい側でありたいものです。

ただ、 デザインリーダー として成功するには、それ以上のものが必要です。

ある意味、問題を本当の意味で理解できるように、ユーザーリサーチの実践をチームに適用しないといけません。耳を傾けないといけないのです。すると、伝えるのがまったく違うものになってきます。

組織の中でデザインの声をはっきりと聞かせるには、声を大にして言わないといけませんが、組織が聞くべきは、個人の声ではなく、チームの声です。

成功に導く デザインリーダー は、伝えるために聴き、聴くために伝えるのです。

デザインリーダーは、チームのメッセージを増幅させるための拡声器としての役割を果たすべきと同時に、他人の話に耳を傾け、共感できるようにチームを指導すべきです。

4.成功に導く デザインリーダー 達 は、目標に向かって闘志を燃やす

偉大なデザインリーダー は、チームとユーザーのためにたゆまぬ努力を続けて戦います。チームもユーザーも、組織の中で強力な提唱者を必要としており、最高の体験を望んでいます。なので障害をすべて取り除くのが、 デザインリーダー の仕事です。

 デザインリーダー の人物像

デザインリーダーには共通点がたくさんあると気づいたとき、とても身近な概念を使って人物像を表現してみようと思い、 デザインリーダー の人物像を作ってみました。

デザイン・リーダーシップ・プログラムの策定やデザイン・リーダーの昇進・採用、あるいはデザイン・リーダーシップに関する会話のきっかけとして、こちらの図をご自由にご利用ください。

 デザインリーダー の人物像

デザインチームのリーダーシップにおけるベストプラクティス

デザインリーダーシップの専門家であるシンディ・アルバレズ氏は、Yammer、GitHub、Microsoft、O’Reilly Media でリーダーシップを発揮した経験から、ベストプラクティスを6つ紹介してくれました。

ここでは、そのアドバイスを彼女自身の言葉で紹介します:

1.一緒に働く仲間に目標を求める

デザイナーの仕事は問題を解決することであり、見た目をただ美しくすることではありません。「誰が」「なぜ」「いつ」「何を」「どこで」「どのように」するかの理解が必要なのです。

仕様書や要求事項のリストを渡して、”とりあえずデザインしてくれ “と言ってきてもそれを受け入れてはいけません。丁寧に、でもしっかりと、このプロジェクトの主な目標を教えてほしいと主張しましょう。

designops efficiency arrow

「ライトボックスを使えばいい」、「◯◯機能で使ったのと同じスタイリングにすればいい」「◯◯社がやっていることを真似すればいい」などと言われるかもしれません。それがベストな解決策かもしれませんが、定められた目標に立ち返ってみないとわかりません。

2.デザインプロセスに光を当てる

私はこれを 「don’t be magic(魔法にかからないで)」とも呼んでいます。

もしあなたがベテランデザイナーで、直感的な聞き手であれば、みんなが言っていることとそうでないことを組み合わせ、彼らが最終的に何を望んでいるかを推測し、それを魔法のようにスクリーンに出現させることができます。初期段階のスタートアップや 急を要するデザインには欠かせないスキルです。

また、恐ろしく非スケーラブルでもあります。みんなはそうでないときでも、自分が明確にコミュニケーションをとっていると信じることができるのです。デザインとは「ただ描くこと」であり、視覚的な優先順位、色、スケール、順序についてあなたが行う何千もの暗黙の決定は任意であると考えることができるようになります。

 

デザインの決定事項の説明が必要: 「このスタイルを採用しているのは、ユーザーが取るべき最も重要な行動である要素 Aを強調するためです。ターゲットとするユーザーが全く違うので、Bの機能についてはあえて真似していません 。」

3.自分が現実的に信じるもののために戦う

過去の仕事では、以下のような極端なデザイナーと仕事をしたことがあります:

「デザインを教えてくれればどんどん作ります」↔「1ピクセルでも変えれば私の傑作は台無しです」

どちらも生産的ではありませんし、そのスペクトルの中で、自分や自分の性格、組織にとって最も効果的なのはどこなのかを学ぶのは、信じられないほど難しいことなのです。でもやってみないといけません。

もし、4つ目のリンクを追加することが UI を乱すと考えるのであれば、声を上げてその理由を説明しましょう。疑問やリスクを自由に表現してください。そして、もしステークホルダーが反対したら、受けて立ちましょう。時には死闘を繰り広げるべきこともあります。通常はそうなりませんけどね。

4.納品するものと時期を明確にする

以下は、思っていても通常誰も口に出さない質問です:

  • このデザインはどの程度変更される可能性があるのか
  • フォント、アイコン、画像などの細部はどの程度最終的なものなのか
  • インタラクションを説明するのか、それとも静的なものなのか
  • コアなユースケース、複数のエッジケース、使用シナリオを説明しているか
  • すべてが完成しているのか、それとも「始めるには十分」なのか

上記の質問に答え、日付を記入した上で、書面で「納品するもの」をリストにした方がよいでしょう。やりすぎと感じるでしょうが、多くの誤解を防ぐことができます。チェックリストとして使ってください。

5.回復と補償

もし、何かが起きて(”もし”と言うか起こります)、約束したことが実現できなくなったら、すぐに連絡を取り、軌道修正のための計画を提示しましょう。

それがあなたのプロジェクトの人々にとって確実に一番便利又は効果的なプランであることを確認しましょう。

何のことわりもなく締切を逃してはいけません。何も言わずにいなくなってはいけません。黙って仕事をして3日後にすべての仕事を終えて再び現れるとかダメですよ。誰も迷ったり、探したりする必要がないように、すぐに声を上げましょう。

6.どうすればもっとうまくいくのかを常に考える

プロセスというのは、あなたを束縛するためにあるのではなく、チームがより効果的に動けるためにあります。プロセスがうまくいってないとき、それを恨んで惨めな気持ちなったところで何の解決にもなりません。また、ルールを回避しようとするのも何の役にも立ちません。問題解決のために、建設的な苦情を言いましょう。

同じ作業を繰り返していると感じたら、立ち止まって、それを自動化または単純化する方法はないかと聞いてみてください。自分の仕事が無駄になっていると感じたら、立ち止まってその理由を聞いてみましょう。

あるいは、何か特別なことをしたのなら、立ち止まって、あなたがしたことを仲間に教えてあげましょう。成功体験は共有しましょう。悪いものだけでなく、良い会議やプロジェクトも蒸し返し、なぜうまくいったのかを分析して再現してみましょう。

シンディのプロフェッショナルなキャリアからのヒントの共有に御礼申し上げます。彼女の詳細については、彼女のウェブサイトをご覧いただくか、LinkedInでつながってください

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UXPin は世界最先端のエンドツーエンドデザインツールで、それによってデザインチームは最終製品のように見えるプロトタイプを作成できるようになります。

ここでは、UXPin が従来の画像ベースのデザインツールとは異なる主要な機能を4つご紹介します:

  1. ステート:任意の要素に複数のステートを作成し、それぞれに個別のプロパティとインタラクションを持たせる。
  2. 変数:ユーザーの入力をキャプチャし、データに基づいてアクションを起こすことで、テスト中にダイナミックで個別化された UX を実現する。
  3. 条件付きインタラクション:「if-then」や「if-else」ルールを作成し、ユーザーのアクションや入力に対して異なる反応を実行する。
  4. エクスプレッション:フォームの検証、計算コンポーネント、パスワード認証のシミュレーションなど、従来はコードでしか利用できなかった複雑な操作を実行する関数をデザインする。

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