企業のデザインシステム活用とDesignOpsに関する レポート

デザインシステム DesignOps レポート

2021年12月から2022年1月にかけて、UXPin と Whitespace は、約20の企業レベルの組織のデザインシステムマネージャーにインタビューを行い、この調査を「Design Systems and DesignOps in the Enterprise(企業における デザインシステム とDesignOps)」と題した1万語の無料 レポート にまとめました。

 レポート は以下で無料でダウンロードできますDesign Systems and DesignOps in the Enterprise.

この記事は、本レポートの概要と、調査から学べることをまとめたものです。理想では、組織で共通のツール、文書、ガバナンスがあることが望まれますが、現状ではこれらの結果を効果的に達成できていないことがわかりました。

 レポート の目的

レポート 分析

UXPin のチームは、組織がどのように デザインシステム を利用しているのか、そしてその利用を促進および効率化するために DesignOps がどのような役割を担っているのかを理解したいと考えていました。

このレポートを通じて、 デザインシステム に関する「組織の課題」を把握し、その課題を解決するためのツールやソリューションを明らかにしたいと考えました。

調査資料

UXPin は Whitespace と提携し、アメリカ、スイス、ドイツ、フランス、イギリス、インドネシア、オーストラリアの7カ国から19の企業機関にインタビューを行いました。

その企業はそれぞれ、テクノロジー、ヘルスケア、輸送、小売、行政など、様々な業界へのサービスを提供しています。

インタビュー内容

各組織への取材では、以下の重要な6テーマを取り上げました:

  1. これまでの デザインシステム の歩み
  2.  デザインシステム の成熟度
  3. ガバナンスとプロセス
  4. デザイナーとデベロッパーの連携と課題
  5. ロードマップとマイルストーン
  6. 既存の市場調査との比較

企業の現状

デザインシステムに関する多くの企業の現状は以下のようになります:

無料ダウンロードはこちらよりDesign Systems and DesignOps in the Enterprise.

各章の簡単な概要

レポート デザインシステム

デザインチーム

デザインチーム編では、組織構造や部門横断的な連携、そしてデザインシステム採用への影響について述べられています。

リーダーシップのサポートがあるケースでも、サイロや不十分なコミュニケーションチャネルにより、デザインシステムの導入が遅れたり大変になったりしています。そこで本レポートでは、以下のような解決策を概説しています:

  • チーム間の透明性のあるコミュニケーション
  • 「信頼できる唯一の情報源(Single source of truth)」の確立
  • 測定可能な目標設定および、進捗確認のための KPI の設定
  • 共通の目標に向けたチーム全体の責任の割り当て

デザインプロセス

デザインプロセス編では、作業標準、ハンドオフプロセス、チームの願望について見ていますが、デザイナーは新しいものを作るのを好み、デベロッパーは使い回せるだけ使い回したいということがわかりました。

多くのデザインシステムのワークフローやコンポーネントは時代遅れになっており、コンポーネントライブラリの更新、要素の追加、全体的な変更などは、企業にとって最大の懸念になっています。

もう一つの課題は、デザインハンドオフです。ほとんどの組織で、現在のデザインプロセスに対する懸念の声が聞かれましたが、より効果的にするための明確な道筋は示されていませんでした。しっかりとしたデザインシステムがあっても、デザインから開発への移行は大変であり、チームは、このハンドオフプロセスをシンプルにするためにツールを採用しますが、断片的なコミュニケーションと非効率がよく起こってしまいます。

ツール

ここでは、デザインおよび開発時に使うツールが、デザインシステムの採用や成功にどのような影響を与えるかを探ります。

多くの企業は「信頼できる唯一の情報源(Singe source of truth)」をもたらす直感的なツールが必要であると認識していますが、ツールを変えるのは、みんなの意識を変えるために時間とリソースを必要とする大変な仕事です。

 デザインシステム のドキュメント

デザインシステムを管理する上で最も大変な作業の1つは、その各部を常に最新の状態に保つことであり、ドキュメントは、デザイナーやデベロッパーが一貫した UI を提供するための労力をモデル化できるようにするための貴重なリソースになります。

file folder

組織は、適切なドキュメントなしには、製品のデザインと納品の成功はほぼあり得ないことがわかりましたが、デザインシステムのドキュメントの維持に必要な帯域は、特にリソースの少ない小規模なチームにとっては大変です。

適切なツールによって、文書化のための構造を提供しながら、デザインシステムの成熟を促進することができます。ツールについての詳細は、以下のレポートからご覧ください:Design Systems and DesignOps in the Enterprise.

デザインシステムの採用

デザインシステムの採用には、その価値と効率性をステークホルダーに理解してもらうための継続的な伝道(トレンドや新技術などをわかりやすく伝えること)とアウトリーチが必要です。

効果的な採用には、トップダウンのサポートと人事および DesignOps チームによる変更管理が必要であり、採用戦略は、組織が進捗をモニタリングし、成功したイニシアチブを特定できるように、測定できるものでないといけません。

理想的なモデル像

調査から得られた見解をもとに、理想のデザインシステムモデルのビジョンをまとめました。理想的なデザインシステムの枠組みは組織によって異なりますが、明確に共通しているのは、「より良い製品開発のための、より効果的なワークフローの構築 」でした。

組織は、以下のような目的達成のために、デザインシステムを導入します:

  • 効率性を高め、要素やコンポーネントを複製する機能を使用した、大規模なデザインおよび開発作業の作成
  • デザインリソースへの負担の軽減
  • 統一されたデザイン言語の作成
  • 製品、チャネル、部門を超えたビジュアルの一貫性の創出
  • 明確な基準、プロセス、ドキュメントを備えたオンボーディングツールとしての提供

 レポート の活用法

designops efficiency arrow

この調査は、製品開発およびデザインシステムに関して、企業が同じような問題を抱えていることが示されています。なのでこの調査結果を共有することで、他の企業が同じような課題をどのように解決したか(あるいは解決する予定か)に基づき、企業が解決策をモデル化できるよう、また、デザインシステムの成熟度や製品デザインの未来をめぐる議論につながるよう期待しています。

 レポート を無料ダウンロードできます:Design Systems and DesignOps in the Enterprise.

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