デザインチームの目標と達成するためのヒント【事例付き】
どんなデザインチームでも、自分たちが何を目指しているかの正確な把握は必要です。そうしないと、仕事やプロジェクトにおける重要な目的や目標が簡単に見失われてしまうかもしれません。
デザインチームの目標は、チームが正しいタスクの完了に向けてきちんと順調に進み、チーム全体の生産性と集中力を高めるには素晴らしい方法ですが、目標を正しく設定するのが難しい場合があります。
UXPinでは、どのようなデザインチームであっても、その能力が最大限に発揮されるようにすべきであると考えています。そこで、本記事では、デザインチームの目標について、その一部始終や設定方法をみていきます。コンポーネント駆動型のプロトタイプをお試しになり、チームに透明性、作業のしやすさ、理解力をもたらしませんか。UXPin Merge にアクセスし、デザイン チームと開発チームの間のサイロを今すぐ解消しましょう。Merge を詳しく見る
デザインチーム の目標とは
デザインチームの目標は、デザイナーが一定時間内に達成すべきマイルストーン(中間目標、もしくは節目の地点)として設定されます。
『 デザインチーム の目標』は具体的ではなく、かなり広範囲に及ぶことがあります。「 デザインチーム の目標」は【大きな目標】と【小さなタスク】の両方で頻繁に使われ、それが混乱を招く可能性があります。なのでその代わりに、目標設定とマイルストーンの達成には、『OKR(Objectives and Key Results:目標と主な結果)』が有効であるというのが共通認識になります。
OKRは、多くのハイテクブランドやNielsen Norman Groupなどの組織で、目標の作成、進捗の評価・追跡、組織内の成果への報奨に利用されています。
OKRの構造は、以下のように明確でシンプルであり、コミュニケーションと理解のしやすさを考慮したわかりやすい構成になっています。
- 目的(Objective):成功のために解決、改善、達成する必要のあるもの
- 主な結果(Key Results/KR):問題が解決されたことを示すのに追跡される、測定可能な指標と結果
OKR は、目標に向かってチームを団結させ、ステークホルダーがチームが何を達成したいのかを理解するのに非常に優れているため、よく使われます。
このような仕組みがあれば、製品チームは目標に向かってより効率的かつ生産的に仕事ができるようになります。達成すべき具体的な目標があれば、それに向かって前進し、確実に軌道にとどまれるのです。
デザインチームの目標は、連携の強化や、プロセスの洗練、チームの団結のために設定され、OKRは、目的を達成し、確かな成果を得るための最適なアプローチです。
ここでは、この方法論を用いて、連携をサポートし、デザインプロセスを最適化し、チーム内の帰属意識を高めるために、デザインチームの目標をどのように設定すればよいかをご紹介します。
デザイン チームのメンバーへの目標設定が重要な理由
- 具体的な目標を作ることで、チームのモチベーションを上げる:達成可能な目標を与えることで、自分の仕事に意義があると感じられるので、質の高い仕事をするモチベーションにつながります。そうでないと、仕事が散漫になり、何のプラスにもなっていないように感じられるかもしれません。
- 生産性と連携の質の向上:デザインチームに明確な目標を与えることで、目標達成に向けた集中力が高まり、そうすることで、生産性と仕事の質は上がり、チームの連携はより良い結果を生み出します。
- デザイナーの仕事が確実に会社の目的をサポートするようにする:スタートアップや企業組織の成功に向けて、チームが確実に動いているようにすることは重要です。OKRは、確実にチームがこの方向に向かってポジティブに働いているようにするための最適な方法です。
デザイン チームの目標6例
1.ユーザージャーニーの改善
以下の例は、Nielsen Normanのアンナ・ケイリー氏の、顧客や購入希望者の体験の向上に努める場合のOKRの例からヒントを得たものです。様々な指標での測定ができますが、この例では、リピート購入、コンバージョン率、ジャーニーパスの離脱率などの指標を使います。
目的:時間と労力節約のためのユーザージャーニーの改善
- KR(Key Result)1: リピート購入25%増
- KR 2: コンバージョン率20%増
- KR 3: ユーザージャーニーパスの離脱率30%減
2.デザイン と開発の連携改善
この例の目標は3ヶ月間設定され、連携とワークフローがベースになっています。KRは、連携をより効率的かつシンプルにし、時間を短縮することを基本としています。
目的:より多くの時間節約のための、デザインと開発間のワークフローの改善
- KR 1: 開発側で再開されたデザインタスクのチケットの40%から10%への削減
- KR 2: 「小さな改善」の平均解決時間の 10 日から 3 日への短縮
- KR 3: 実行に移されるデザイン依頼の 50% から 80% への増加
3.チームの成長を支える新しい デザインプロセス の導入
次の例は、Lattice です。デザインチームが2年間で6名から39名に拡大したことをきっかけに、目標設定の方法を見直すことにしたそうです。
Lattice のスタッフ製品デザイナーは、「その年の振り返り」を毎年を実施することで、次年度の主な目標3つを設定できました。それぞれの目標が設定され、それぞれのチームがその年の各四半期に1つずつ、計4つのKR を出すのに働きました。次の例は、その目標のうち1つです。
目的:チームの成長に合わせたプロセスの進化
- Q1:ブランドと製品の慣習的行為をモニタリグし、調整を提案
- Q2:デザインのフィードバックとコンテキストの共有の、より頻繁な実施(2倍です!)
- Q3: より簡単なコンテキスト共有のためのテンプレートの作成
- Q4: ブランドおよび製品デザインの連携のプロセスの確定
4.ランディングページのパフォーマンス向上
GTMHubは、「アウトプット(自分の中にある知識や経験、情報を基に生み出された成果物)をアウトカム(主体的な行動によって生み出された結果や成果)に変える」ことに基づいて以下の例を共有し、これは特にランディングページのパフォーマンスを向上させることに重点を置いています。このように目標を設定することで、到達すべき一定の割合や数値が得られ、チームのパフォーマンスを把握しやすくなり、必要な時に後押しすることができるようになります。
ここでは、デザイン部門の特定のチームまたはサブセットが、この特定のタスクでの役割を果たすために OKR を割り当てられています。その OKR の例は以下の通りです:
目的:ランディングページの UX/UI によるパフォーマンスの向上
- KR 1: CTAコンバージョンを2倍の16%に
- KR 2:ページナビゲーション率を5%にアップ
- KR 3: 商品画像ギャラリーの開封率を2倍の24%にアップ
5.デザイン 言語の一貫性
ここでは、Delivery Hero-Talabatのアンバー・ジャビーン氏が、Delivery Heroのチームにとってデザイン言語が大変だったことを話しています。デザイン言語が非常にわかりにくく、一貫性がないため、チームは生産性と効率性の維持が難しいと感じていました。そこで、チームはデザイン言語の改善に取り組みました。
以下のビデオでは、そのプロセスが詳しく説明されており、誰でも何でも同じページにたどり着けるように、デザイン言語の一貫性の改善に時間をかけることの利点が見られます。
6.プロジェクトのインテークの舵取り
この例では、Amazon/AlexaのシニアUXデザイナーであるオムカール・チャンドガドカール 氏が、これまで受け身だったデザインプロジェクトの取り込みから、会社運営への影響をよりコントロールできるようにすることを目指したことについて語っています。目標を用いてアプローチを変えることで、何とか移行でき、目標と達成に集中することができたのです。
このプロセスは、「戦術的なアプローチ」から「戦略的なアプローチ」へと移行することであり、チームがデザイン業務に関してよりイニシアチブを発揮するための素晴らしい目標です。確かに、それで彼らのデザインスキルが影響され、個人的な成長にもつながることでしょう。
このビデオでは、その全工程が紹介されています。
デザイン チームの目標到達ためのサポート
明確な目標と目的の設定だけでなく、率先して手を差し伸べ、チームをサポートすることが大切であり、それには、適切なツールへのアクセスの許可や保証が含まれます。特に、チーム全体の連携を支援し、仕事を加速させながら、生産性を向上に貢献できるツールですね。
UXPin Mergeでデザインチームの潜在能力が引き出され、それによって、最大の目標達成を目指してより協調的かつ効率的に作業することができます。Mergeを使えば、デザイナーはインタラクティブなコンポーネントをUXPinに取り込み、重複作業をせずに迅速かつスマートに作業を進めることができるのです。
連携はどのチームにとっても重要であり、Merge はチームと明確かつ迅速な連携に最適です。一貫性を保てることで、すべてが順調に進み、システムやコンポーネントの適用や実装方法について混乱が生じることがなくなります。
Mergeは、チームを強化する素晴らしい方法です。チームにより多くの透明性、可視性、理解をもたらすことで、より良いデザイン文化や、より良い製品デザイン・開発チームの連携を生み出すことができます。
UXPin Mergeでチームの生産性を上げよう
デザイン チームの目標で、チーム内の集中力とモチベーションの確立ができます。また、OKR を使うと、デザインの改良や最終製品の効果の改善高がしやすくなり、さらに、明確な目標を作成することで、チームが前向きな成果に向かって努力し、DesignOpsの重要な課題を克服できるようになります。
ただし、UI やUX のデザインチームと製品開発チームの間に繋がりがない場合は特に、緊密なコミュニケーションとチームの協力なしには、OKRの効果的な達成はできません。
そこで、UXPinの出番です。UXPinのプロトタイピングツールでは、デベロッパーが使うのと同じコンポーネントを使ってデザインすることができ、それによって、制限されたチームのサイロを解消することができます。UXPin Mergeを使えば、製品のHi-Fiプロトタイプをその場で作成し、作成中の製品の実際のUX(ユーザーエクスペリエンス)がわかります。
UXPin Merge をお試しになり、チームの連携を強化する方法をぜひご覧ください。