UIデザインシステム構築ガイド

概要

UIデザインシステムによって、製品デザインは整理され、一貫性が保たれます。ここでは、次のプロジェクトのためにUIデザインシステムを作成する方法について説明します。 UIデザインシステムは、製品全体の一貫したデザインを確立するのに役立ちます。この一貫したデザインは、ユーザーエクスペリエンスとSEOの観点から非常に重要です。優れたコンポーネントデザインがなければ、効果的な製品を作ることはできません。効果的なコンポーネントデザインは、市場調査やインスピレーションを集めることから始まります。まずはムードボードから始め、そこからすべてを分岐させます。カラーパレット、文字サイズ、アイコン、フォームなど一貫した要素を確立してください。ウェブデザインの世界では、これまで以上にクリエイティビティを発揮できるようになりました。ネオンカラーのフォントとBGMで構成された静的なページが主流だった時代は、もう過去のものです。テクノロジーの進化でWebデザインは多くの可能性を秘めています。言い換えると、それはデザインがより複雑化することも意味しています。そのため、構成要素のデザインに一貫性を持たせることは容易ではありません。そこでUIシステムを通して製品全体で統一感のあるコンポーネントをデザインする方法について説明していきます。

コンポーネントデザインシステム

コンポーネントデザインシステムとは、製品を組み上げる前、あるいは組み上げながら決めた特定のデザインの基準点です。ビジュアル・スタイル・ガイド、またはデザイン・コンポーネントのインベントリーと考えてください。これには、カラーパレット、文字スケール、アイコン、ボタン、その他製品が使用するあらゆるデザイン要素が含まれます（各コンポーネントなどについては後ほど説明します）。ポイントとしては、これらの要素を1つの場所にまとめることで、デザインの一貫性を保ちやすくになります。ボタンの色、アイコンの一般的なスタイル、フォントのサイズとスタイルなどを正確に把握することができます。UIシステムがあれば、将来的にページや機能を追加する際にも、推測で作業する必要性がなくなります。

このようなUIを実現するために、有名ブランドのUIデザインや、Adeleが提供するデザインシステム、パターンライブラリの無料レポジトリを見てみましょう。

コンポーネントデザインシステムの必要性

コンポーネントデザインシステムが必要な理由はいくつもありますし、デザインが悪いと損をすることもあります。優れたWebサイトのデザインは、単に見た目が良いだけではありません。感覚的なナビゲーションでメッセージを伝え、読みやすくすることができます。Webサイトであれアプリケーションであれ、製品はユーザーのブランドに対する第一印象となります。感覚で操作できるデザインであれば、ユーザーはどこに移動すればいいのか、ボタンはどう見えるのか、エラーはどのように見えるのか、などをきちんと把握できるため、一貫したデザインを実現することができます。また、UXに最適化されたデザインは、製品の知名度を左右することもあります。SEOのベストプラクティスは移り変わりが激しいように見えますが、今日の戦術は、昨日のキーワードスタッフィングよりもはるかに複雑です。デザインとアクセシビリティはSERPランキングに大きな影響を与えるため、製品が貧弱なユーザー体験を提供すれば、検索エンジンはその製品を好意的に見ることはないでしょう。

コンポーネントデザインシステムの構築

UIシステムの構築は、決して軽んじられるものではありません。多くの時間と献身が必要なプロセスです。しかし、一貫性のある、質の高いデザインを製品に採用できた時こそ、その価値がわかるでしょう。UIシステムの構築は製品ブランドを確立するための重要なステップなのです。

ムードモード

コンポーネントデザインを計画する最初のステップは、ムードボードを作成することです。ここで、意図的にデザインにインスピレーションを与えるあらゆるものの画像を集めます。現在のデザイントレンド、インスピレーションを与える画像、テーマとなるグラフィックなど、さまざまなものが考えられます。

実質的に、Pinterestのプライベートボードをまとめることになります。十分な数の「ピン」があれば、それらの間に共通点を見出すことができるようになります。そして、その共通点から、色や線、アイコンなどの構成要素を決めることができます。

カラーパレット

製品のカラーパレットは、ムードボードや製品・サービスに関する調査に基づいて決定する必要があります。たとえば、あなたの業界が「水」と関係するもの（ボート、セーリング、釣り、自然保護など）であれば、暖色系の色を中心としたパレットでは合いません。また、ムードボードで集めたイメージは、グリーン、ブルー、パープルの方向へ向かう可能性が高いでしょう。

しかし、UIデザインシステムにおけるカラーパレットは、それ以上に複雑なものです。1次色、2次色、3次色、そして関連するフィールドの成否を示す色などを決めておく必要があるのです。(これらは、後ほど説明するボタンやフォームにも関連します）。人目を引くカラーパレットを作るには、色彩理論の基本を理解している必要があります。つまり、明度、彩度、配色を理解することです。また、各色の使用頻度を決め、原色とアクセントカラーは、その重要性が伝わるように十分な頻度で使用する必要があります。一般的には、原色を60％、副色を30％、アクセントカラーを10％使用する「60-30-10ルール」が推奨されています。カラーパレットの選択について詳しくは、こちらをご覧ください。

影

技術の進歩とはいえ、コンピュータの画面はまだ2次元です。しかし、だからといって、デザインに奥行きや遠近感を加えることができないわけではありませんし、ぜひとも検討すべきことです。最近、影を使ったデザインがトレンドになっていますが、これには理由があります。デザインの構成要素に戦略的に影を使うことで、効果的かつ繊細な方法で強調し、視線を引きつけることができます。ただし、影の方向、深さ、強さには十分な統一感を持たせてください。

タイプスケール

テキストに関しては、フォントを統一し、読みやすくしたいものです。また、テキストやヘッダーの拡大縮小にも気を配り、すべてが均一に見えるようにしましょう。ホームページのH2とお問い合わせページのH2が異なっていると、見た目がよくありません。また、H2がH1やH3と同じ大きさになりすぎないようにすることも大切です。そのためには、本文、見出し、リンクなどのサイズやフォーマットを統一しておくとよいでしょう。縮尺の設定にお困りの場合は、オンラインで無料で利用できるType Scaleをご利用ください。

アイコン

アイコンはシンプルに統一しましょう。アイコンはもともと小さいものなので、あまり細かくすると見切れが悪くなります。アイコンのデザインに一貫性がないと、だらしなく見えてしまいます。デザインに悩んだら、オンラインで無料のアイコンセットパックを入手することもできますが、UXPinにはすぐに使えるアイコンライブラリがあります。

ボタン、スライダー、フォームなどのコンポーネント

これらは、ユーザーが最も接触する要素であり、UIデザインにおいて重要な部分です。目立つこと、識別できること、目的が明確であることが必要です。

ボタンはアイコンと同様、シンプルなデザインがベストであり、ボタンの間隔の一貫性を保つことも必要です。スタンダードなボタンやラジオボタンの見せ方はいくつかの方法があります。インスピレーションが必要な場合や、すぐに使えるコンポーネントをデザインに追加したい場合は、UXPinにあるマテリアルデザインのパターンでプロダクトにあったデザインをライブラリの中で見つけることができます。

ナビゲーションのドロップダウンやテキストフィールドなどの他のコンポーネントは、デザインの他の部分を圧迫することなく表示されるようにします。そのためには、カラーパレットとシャドウが有効的です。まだ完璧なデザインに取り組んでいらっしゃいますか？地球上で最高のデザイナーが使っているプラットフォームに参加しませんか。UXPinは、UIプロジェクト全体の設計と管理を1つのツールで行うことができます。今すぐ無料で参加し、お気軽にご体験ください。