基礎が学べる! プロダクトデザイン とは?
市場には多くのソフトウェア製品の選択肢があることから、ユーザーはそれぞれのニーズやユースケースに対応するアプリを探しています。
実際、32%の顧客が、たった1回のよくないユーザー体験でも、そのブランドや製品を選ばなくなると言われています。このようなことから、企業やチームは製品の継続的な改善に注力しなければならないのです。
しかし、そもそも プロダクトデザイン が何を意味するのか、「わからない」という方も多いかと思います。プロダクトデザインの意味や、その必要性とは何なのでしょうか?
この記事では「 プロダクトデザイン 」を深掘りし、プロセスにおける5つのステージをご紹介していきます。
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プロダクトデザイン とは
プロダクトデザイン とは、ターゲットとするユーザーが抱える問題やユースケースに応じたデジタル製品を作り、改善するプロセスを指します。それには、デザインチームは次のようなことが必要になります:
- 製品のユーザーを理解するための、ユーザー調査の実施。
- ユーザーをイライラさせるような、よくあるペインポイントの特定。
- そのユーザーニーズに対する解決策の候補のブレインストーミングおよび、その解決度の調査。
- ユーザーの通常のワークフローに自社製品がどのようにフィットするかの把握。
- ステークホルダーが求めるビジネス目標の達成に向けた努力。
- ユーザーからのフィードバックに基づいたプロダクトデザインのテストおよびイテレーション(反復)作業。
ここでは、ユーザーのニーズに合わせて、ユーザーがどのように製品に関わるかを想定してデザインすることを最終目標としています。
「 プロダクトデザイン 」と「インダストリアルデザイン」の違い
もともと「 プロダクトデザイン 」という言葉は、「インダストリアルデザイン」と同じ意味で使われていました。インダストリアルデザインは、現実の物質的な製品をデザインおよび作成する行為を表現する言葉であり、その名前からもわかるように、産業革命が始まった後、何百万人ものユーザーのために大量の製品を作ることができるようになったことを説明するための造語です。
デザイナーは史上初めて、ユーザーに合わせてカスタマイズするのではなく、さまざまなニーズに対応する万人向けのソリューションを、手の届く価格で開発する必要に迫られたのです。それは、さまざまなニーズを持つユーザーに対して、万人が使えるように、そして手に入れやすい価格で提供するということでした。
インダストリアルデザインは、トースターやコーヒースプーンから、人間工学に基づいたデスクチェアまで、あらゆるところで見ることができます。
デジタル製品の台頭により、現在では「インダストリアルデザイン」と「プロダクトデザイン」という言葉を分けて使う傾向があり、プロダクトデザインは、モバイルアプリやWebアプリのビジュアルデザインを作成するプロセスを説明するのに大体使われます。物理的な製品と同様に、このような製品もまた、正しいプロダクトデザインの実践に従い、常に洗練された状態を保つ必要があるのです。
ちなみに本章および本ガイドでは、デジタル製品の直感的なインターフェースデザインを作成するプロセスを「プロダクトデザイン」と呼ぶことにします。
プロダクトデザインプロセスにおける5つのステージ
プロダクトデザイン のプロセスは製品や業界ごとに異なりますが、多くのデザイナーはプロダクトデザインに共通する5つの段階を以下のように挙げています:
- 共感:プロダクトデザイナーは、「誰がユーザーなのか」、「何が好きで何が嫌いなのか」、「どのように問題に取り組んでいるか」、「同じような製品で最も不満に思うのはどのような問題か」など、その製品のユーザーを学び、理解する必要があり、この段階で、新しいプロダクトデザインの柱となる明確なユーザーペルソナ(人物像)が構築されます。また、この段階ではビジネスへの共感も必要であり、ステークホルダーが抱いているビジネスニーズへの理解は不可欠です。
- 確定:ここでのプロダクトデザイナーの役割は、プロダクトが焦点を当てるべき具体的なユーザーニーズの特定であり、前のステップで作成したペルソナを使って、問題解決スキルで取り組むべき問題の評価が必要です。
- アイデア出し:デザイン思考やユーザージャーニーマップ、ストーリーボードなどのテクニックを使って、クリエイティブなアイデアを模索し、広げていきます。この段階では、あらゆるアイデアが歓迎され、デザイナーは、ユーザーのニーズや問題に対する潜在的な解決策を自由に話し合うことができます。
- プロトタイプ:デザイナーはプロトタイプを作成して、製品が必要なユーザーの問題を解決しているかどうかをテストします。また、プロトタイプで、デザイナーが正しいデザインソリューションを構築しているかどうかの判断もできます。インタラクションデザインを排除した低忠実度のプロトタイプを作るデザイナーもいれば、高忠実度のプロトタイプに移行して、最終製品のインタラクティブなモックアップを作るデザイナーもいます。
- テスト:最後に、デザイナーはデザインコンセプト(プロトタイプ)を実際のユーザーにテストしてもらい、フィードバックを集めます。これには、ステークホルダー、デベロッパー、そして何よりもユーザーからのフィードバックが必要であり、プロトタイプが実際の製品に似ていれば似ているほど、ユーザーテストからのフィードバックはより正確なものになります。
上記のステップは時系列的に見えるかもしれませんが、 プロダクトデザイン は UI をデザインする一回限りのプロセスではないことを頭に入れておいてください。プロダクトデザイナーがユーザーフローのテストや、便利な機能の追加をしながら、ソリューションに絶えず磨きをかけ、市場に向けて微調整を行う反復的なものなのです。
商品開発における プロダクトデザイン の役割
商品開発に関するガイドで説明したように、デザイナーは商品開発のライフサイクルの全ステップに関わります。
デザイナーは、初期段階において、製品を視覚化するための初期プロトタイプやワイヤーフレームを作成します。プロダクトデザイナーは、ビジュアルを作るという本来の仕事に加え、A/Bテストやインタビュー、他のプロダクトマネージャーとのコミュニケーションなど、プロダクトロードマップに関するリサーチにも携わります。
プロダクトデザイン は、ソフトウェア開発に先行して行われ、製品の一部としてどのようなソリューションを開発すべきか、またエンドユーザーにとってどのように見え、どのように操作すべきかを明確にするものです。製品が稼動すると、デザイナーとデベロッパーは密に連携してアプリやWebサイトを改良していきます。少なくとも、これが最高の製品開発チームを特徴づけるアプローチです。
このアプローチは、Segment が好例として挙げられます。プロダクトデザインの責任者であるハリーム・マナン氏は、これを「デュアルトラックフレームワーク」と呼んでおり、デザイナーをはじめとするプロダクトチームのメンバーは、「発見」と「開発」という2つのアクションを同時進行で行っています。
- 発見:デザイナーは、新しいアイデアを調査・発見し、テストやプロトタイプを通じて検証する。このフェーズでは、社内からのフィードバックや、アンケート、インタビュー、ユーザビリティテストなどを通じて実際のユーザーから収集したフィードバックが原動力となる。
- 開発:デザインチームは、製品がどのように見えるべきか、あるいはどのように改善できるかをしっかりと把握した上で、デザインの起草を進める。いい UXデザインは、デザイナーとエンジニアが同じコンポーネントを使い、連携することで実現される。
デザイナーはどのようにしてデザインアイデアを検証すればいいのでしょうか?ユーザーが製品に求めているものの特定のために、ユーザーからインサイトを集める必要があり、それにはアンケートやユーザーインタビューなどのデータ収集が必要です。このようなインサイトは、より広範な分析との組み合わせが必要であり、それには以下のようなものがあります:
- 競合他社のサイトを見たり、SNSや製品レビューサイトでの評判を検証することで、競合他社が何をしているかを探る
- 現在の市場環境に対応する – 「機能の開発や、特定のデザインの続行で、競合他社に対する自社の位置づけにつながるか」また、「プロダクトデザインの改良は、顧客が喜んで支払う価格に貢献するのか」。これが、最後のポイントにつながる。
- 優れたプロダクトデザインを使って主要な競合他社を凌ぐ方法を特定する。自社製品のような製品において、ユーザージャーニーの完了をサポートするもっといい方法はないか。チェックアウトプロセスの簡略化や、情報アーキテクチャの再構築をできないか。
最終的には、納品と発見のバランスをとるためにプロトタイプが重要になります。
UXPin Mergeのようなプロトタイピングソリューションを使うことで、デザイナーとデベロッパーは同じコードコンポーネントを使いながら、連携して製品の作成ができます。また、デザインのアイデアを検証して納品やコーディングの段階で手短に移行でき、制作期間の短縮や一貫性の確保が実現します。
最終製品におけるデザインチームの役割
プロダクトデザイン は、ユーザーのニーズを的確に解決する製品を、アイデアを出してデザインおよび開発することであり、もはや物理的な製品を作るためだけのものではないことを頭に入れておかないといけません。そして WebアプリやWebサイト、モバイルアプリのデザインでも、何度も繰り返し、プロトタイプのテストが行われます。
プロダクトデザイン とは、製品開発の初期段階を指すと誤解されがちですが、実際にはプロダクトデザインは繰り返し行われるプロセスなのです。
どうしてでしょう?顧客のニーズが変化するにつれて、商品開発やデザインプロセスも変化していきます。なのでプロダクトデザインは常に改善されるべきであり、新しいソリューションは常に探求や開発、テストされるべきですよね。
実は、ユーザーに合わせて製品を作って適合させるというこの責任は、プロダクトデザインチームの枠を超えています。これは組織全体で責任を担うものなのです。
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