Design Value Conference 2022のまとめ:世界企業のDesignOps課題への取り組み

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2022年3月に開催されたUXPinの第1回デザインバリュー会議では、世界最大級の企業におけるデザインとDesignOpsを理解すべく、デザイン業界のリーダー5人が招かれました。

本記事では、「デザインバリュー会議2022」で取り上げられた内容がすべてまとめられ、各講演のあらすじと30分の動画にリンクしています。

デザインバリュー会議 2022は、世界最先端のコラボレーティブプロトタイピングツールであるUXPin Mergeの提供で行われました。無料トライアルにサインアップし、MUI Storybookとの統合を通じてUXPin Mergeをご体験ください。

Merge Component Managerについて:ユーガ・コーダ氏(UXPin CEO)

  UXPin CEOのユーガ・コーダ氏は、デザインバリュー会議 2022の開幕にあたり、エンジニアに頼ることなくコンポーネントライブラリを同期させる新しい方法である、UXPinの新製品「Merge Component Manager」を発表しました。

現在の形態の Merge では、UXPin と同期するコンポーネント ライブラリおよびレポを準備すのにエンジニアの助けが必要ですが、Merge Component Managerだと、コンポーネントを取り込む際のコードは不要です。

Merge Component Manager では、NPM パッケージを通じてコンポーネントのインポートおよび設定ができ、デザイナーはコードレスプロセスにより、UXPin内でコンポーネントのプロパティを設定および管理し、プロトタイプの構築時にコード化されたインタラクションの力を発揮することができます。

ぜひ、まずはあなたからUXPinのMerge Component Manager試してみてください– これでデザイナーはコードコンポーネントを使ってプロトタイプを簡単に作成できます。

マギー・ディエンジャー氏(Uber Eats)

UberのシニアDPM(デザインプログラムマネージャー)であるマギー・ディエンジャー氏が、UberにおけるDesignOpsについて貴重な見解を語ってくれました。

Uberの様々な製品に携わってきたマギーは、複数のチームの規模とあらゆる成熟度において、どのようにDesignOpsに取り組んだかの事例を紹介しました。

こちらが、彼女の講演のポイントです。

フレーミングとスケーリング

マギーは、DPMが効果を最大限発揮するのにどこに時間をかけるべきかを決めるフレームワークとスケーリングプロセスを採用しています。彼女は、組織を正確に捉え、十分な情報を得た上で意思決定を行うために、3つのフレーム化要素を使用しています:

  • デザイン組織の規模と状態
  • デザインチームのリソース
  • 提携のレベル

DPMのインパクトを上げる

組織とその問題を明確に理解した上で、彼女は適切な 「関与のレベル 」を選択します。DPMは、ズームインしているときはより実践的で、チームと一緒に日々の仕事に取り組みますが、ズームアウトしているときは、アドボカシー、戦略、プランニングに重点を置きます。

DPMの軌道をサポート

最後に、彼女は長期目標でのDesignOpsのロードマップを作成し、フレームワークのエクササイズを使って、以下の重要な軌道の質問3つに答えたいと考えています:

  • 今日どこにいますか?
  • どこにいたいですか?
  • チームはどこにいたいですか?

サロメ・モルタザヴィ氏(SiriusXM)

SiriusXMのDesignOpsディレクターであるサロメ・モルタザヴィ氏が、DesignOpsのロードマップを作成するためのフレームワークの使用について語っています。

彼女はSiriusXMやフォーチュン500の多くの企業との仕事を通じて貴重な知識と経験を得ており、今回の講演でそれをシェアしてくれます。

こちらが、サロメのトークのポイントです。

初心者のためのアドバイス

初心者のDesignOps実践者が犯しがちな間違いの1つは、なんでも屋なってしまうことです。彼らは、より大きな絵に焦点を当てる代わりに、あまりにも多くの日常的な業務を引き受けてしまいます。

始めるにあたって、サロメはこれを克服するために3つの提言をしています:

  • 価値を見出す:自分が最も付加価値の高い分野を探す
  • 効率と有効性:ベースラインの特定に正しい測定基準を使用して問題のフレームワークから始める
  • 話を聞き、メモを取るあなたが必要だと思う改革に飛びつくのではなく、チームメンバーにインタビューし、彼らの課題を把握する

DesignOpsフレームワーク:デザイン成熟度指数

サロメは、「デザイン成熟度指標」を使ってテーマや問題を特定し、以下の2つの “バケット “に分類しています:

  1. DesignOps(デザイン組織運営)
  2. デザインリーダーシップ/デザインチーム/プロダクト (デザインプラクティス運営)

彼女は、これらのテーマや問題をメニューツールで適宜割り当て、分類しています。

DesignOpsロードマップの作成

確定され割り当てたられた問題を元に、サロメ氏は、3つの時間軸といくつかのカテゴリでDesignOpsのロードマップの概要を作成し、【構築】、【測定】、【学習】の方法論を使って実装・進化させます。

彼女の講演の模様は、ブログでご覧いただけます。

エリカ・ライダー(Paypal)

PayPalのUX Lead EPXであるエリカ・ライダー 氏が、デザインの拡張のために従来の DesignOps モデルをどのように修正し、UX の責任を企業全体に移したかについてお話します。

従来のDesignOpsとDesignOps 2.0の比較

エリカのDesignOps戦略は、デザイン部門ではなく、デザインプラクティスを拡張する必要がありました。これを実現するために、彼女とチームは、DesignOpsの構築の代わりにDevOpsの中でデザインを運用しようということで、DesignOpsとDevOpsのハイブリッドフレームワークを作成しました。

責任の進化

このハイブリッドシステムを成功させるために、エリカはプロダクトチームにデザイン、プロトタイプ、テストの権限を与えるとともに、プロダクトマネージャーやエンジニアにUXの重要性を説く必要がありました。

PayPalのDesignOps 2.0プロセスを進化させる

2019年からDesignOps 2.0に取り組んできたエリカと彼女のチームは、より良い製品の提供のために、製品チームのプロセスを進化させることに取り組んでいます。

彼女は、ユーザーリサーチ運用のためのシステムに取り組んでおり、PayPalのハイブリッドな運営モデルにおいて、製品、デザイン、エンジニアリングがUXの責任を共有できるよう、コントロールとアカウンタビリティのバランスを整えているところです。

PayPalのUXチームは、UXウィザードツールを使って、このDesignOps 2.0の次のイテレーションを測定し、進化させています。

エリカ・ライダー氏は、PayPal の DesignOps 2.0 の基盤として UXPin Merge を使いました。無料トライアルに登録し、Merge がどのようにデザイン運用を拡張できるかをご確認ください。

オムカー・チャンドガドカー氏(Amazon)

Amazon Alexa Smart HomeのシニアUXデザイナーであるオムカー・チャンドがドカー氏が、自身の2つのフレームワークを用いて、よくあるデザイン上の課題を克服することについてお話します。

オムカー氏は、ハイテク大手のIBMやアマゾンでの経験から、これらのフレームワークを開発し、積極的に行動することで、戦術的アプローチ(オムカーが言うところの「飛びながら飛行機をデザインする」)から戦略的アプローチへと移行しました

デザインチームのよくある課題

オムカー氏は、デザインチームが大企業で経験する3つの一般的な課題について概説しています。つまり、デザインチームは長期的な戦略に取り組むというより、躍起になっていることが多いのです。

オムカーは、この「躍起になる問題」の克服のために、2つのフレームワークを使用しています。

フレームワーク1:オムカー氏の「点と点をつなげるマップ」

点と点をつなげるというのは、プロダクト、デザイン、エンジニアリングの各活動とフレームワークを連携させ、ソフトウェア開発プロセス全体を通じて連絡と連携を改善することです。

点と点をつなげるマップの目的で、あなたの企業がどのように意思決定し、これらの意思決定がどのように相互依存しているかを特定しやすくなります。そうすると、DesignOpsは、デザインを組織の他の部分と連携させる戦略を実施し、より合理的な製品提供が可能になります。

フレームワーク2:オムカー氏が提供するデザイン

オムカーの積極的なDesign Offerings戦略は、DesignOpsがプロジェクトのプロダクトマネージャーを販売する製品を作るプロセスです。

これらの製品は、プロジェクトの取り込みを合理化し、デザインチームに実用的な最初のステップを提供します。DesignOpsの実践者は、新規プロジェクトや製品バックログにDesign Offeringsフレームワークを使うことができます。

オムカー氏のフレームワークの使い方

点と点をつなぐマップ:

  • プロジェクトの進め方やプロジェクト計画作成の参考として
  • 過去の決定事項とのギャップを確認するための仕組みとして

デザインの提案:

  • パートナーがデザインからどのような利益を得ることができるかを教育する手段
  • 戦術的なプロジェクトと戦略的なプロジェクトのバランスをとるための取り込みメカニズム

UXPinでは定期的にさまざまな業界からのゲストをお呼びしたウェビナーを開催しています。

Delivery Hero MENA(talabat)のDesignOpsリーダー、アンバー・ジャビーン氏を招いた新しいウェビナーをご覧いただけます。彼女は、異なる市場にまたがって機能する集中型デザインシステムのための企業の賛同を得ることについてお話しています。

こちらも是非ご覧くださいませ。

 

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