UX コンテンツ戦略 【作成方法や4つのポイント】
コンテンツは、多くのクリエイターから提供された複数のタッチポイントにわたって存在しており、 UXコンテンツ 戦略は、製品のUX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させビジネスゴールを達成するのに、コンテンツ制作とガバナンスを確実に高品質で一貫性のあるものにします。
本記事では、コンテンツ戦略を策定・維持する上で重要な以下の2つの要素を探ります:
- コンテンツのライフサイクル
- コンテンツ戦略における4つの要素
コンテンツ戦略チームは、このような要素を用いて、製品のコンテンツを作成および維持するためのフレームワークを作成します。
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UX コンテンツ戦略とは
UXコンテンツ 戦略は、製品のコンテンツ目標、作成、管理、および複数のタッチポイントにおける分配を確定します。以下が挙げられますが、他にも色々あります:
- デジタル製品のUI(ユーザーインターフェース)
- ウェブサイト
- ブログ記事
- メール(システム通知、マーケティングなど)
- モバイル通知
- SNS
- 広告
コンテンツ戦略 担当は、このようなタッチポイントで一貫性のあるメッセージを作成してユーザーのニーズを満たし、ビジネス目標を達成することを目的としています。
UX戦略のように、 UXコンテンツ 戦略は、コンテンツデザイナーとUXデザイナーが、より良い UX のために製品とブランドを調和させるためのフレームワークを提供します。
UXコンテンツ 戦略担当は、組織のコンテンツを統一するだけでなく、コンテンツデザイナーや UXライターと密接に連携し、ユーザーのニーズを的確に満たすコンテンツをデザインします。例えば、UXPinのドキュメントでは、デザイナーのデザインツールとその機能に対する理解を促すために、説明文、テキストハイライト、画像、説明ビデオ/GIFが使われています。
UXコンテンツ 戦略の責任者
誰が組織における UXコンテンツ 戦略の責任を担うかは、組織の構造によって違ってきます。例えば、多くのスタートアップ企業には、コンテンツデザイン専門のチームがなく、このような小規模な会社では、UXデザイナーがコンテンツの責任を担います。
大きな組織では、専任の コンテンツ戦略 担当がいる場合もありますが、多くの場合、コンテンツデザイナーがこの役割を担っています。
コンテンツ戦略 担当の仕事
ここでは、典型的な コンテンツ戦略 担当の役割と責任についてご説明します:
- コンテンツの原則:言語、文章構造、読解レベルなど、組織がどのようにコピーを使用するかの確定
- コンテンツポリシー:GDPR(一般データ保護規則)、CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などの法的要件を含む、組織のコンテンツ標準とガイドライン
- ボイス&トーン:ブランドの個性とターゲットユーザーへの語りかけ方
- コンテンツロードマップ:コンテンツの優先順位付け、タスクの割り当てなど、コンテンツの作成と維持に必要な情報の提供
- コンテンツ監査:関連性と最新性を保証するための、各タッチポイントのコンテンツの定期的な監査
コンテンツ制作者
コンテンツ戦略 担当は、複数のソースからコンテンツを調達するために、部門横断的な作業を行います。さまざまな種類のコンテンツを作成する担当者の例を以下に挙げましょう:
- コピーライター(ブログなどの長文コンテンツ)
- UXライター( UI のコピー、メッセージ、通知、ラベルなど)
- グラフィックデザイナー(アイコン、インフォグラフィック、地図、その他ビジュアル要素)
- UIデザイナー(UI の要素やコンポーネント)
- ビデオエディター(ビデオコンテンツのソーシングと編集)
コンテンツライフサイクルの5ステップ
Meta(旧Facebook)のコンテンツデザイナーであるエリン・スキーム氏が2009年に作成したコンテンツライフサイクルは、Usability.gov で参照されたフレームワークで、 コンテンツ戦略 担当に今日でも使用されています。
エリンの「コンテンツライフサイクルの5ステップ」は、 コンテンツ戦略 担当が組織のコンテンツニーズを定期的に評価する反復プロセスになります。
監査
コンテンツ監査には、UX監査のように、ブランドの既存のコンテンツとビジネス目標をきちんと評価するためのインタビューや調査が含まれ、コンテンツデザイナーは、単独の製品、プロジェクト、ドメイン、または組織を監査することができます。一般的なコンテンツ監査の内容は以下のとおりです:
- ステークホルダーインタビュー:主要なステークホルダーや各部門のコンテンツ目標の把握
- 競合分析:チャンスを見極めるための競合他社のリサーチ
- 市場調査:需要の分析およびギャップの発見
- カタログコンテンツ:既存の全コンテンツのリスト化およびカテゴリー化
- ユーザーリサーチ:ユーザーニーズを確定すべく、ユーザーペルソナ、ユーザージャーニー、製品データ(分析、ヒートマップなど)、その他のUXリサーチの評価
コンテンツ監査は、組織の現状の把握、問題や機会の特定、そしてそれがコンテンツ、UX、製品ロードマップとどのように整合しているかを確認することを主な目的としています。
戦略
戦略ステップでは、以下のようなハイレベルなコンテンツのニーズと優先順位を確定します:
- コンテンツのソーシング、プロダクション、ワークフロー
- コンテンツ配信のタイムラインと納期の設定
- コンテンツの分類法(カテゴリー、構造、メタデータなど)
- 音声とトーンの確定
プラン
戦略フェーズでは、組織が何のコンテンツを必要としているかを概説し、プランでは、誰が、いつ、どのようにそれを作成するのかを指定します。以下がその例です:
- コンテンツの調達と作成のためのタスクの割り当て
- コンテンツ管理システムのカスタマイズ
- メタデータの計画
- 移行計画
- マーケティング/広告モデル
作成
チームは企画・戦略に沿って、以下のようにコンテンツを制作します:
- ガバナンスモデルの構築
- コピーライティング、編集、レビュー
- アセット作成と最適化
- ブランディングとSEO(検索エンジン最適化)のための品質保証
維持
実行可能なコンテンツロードマップがあれば、コンテンツデザインチームは KPI (重要業績評価指標)を使って進捗をモニタリングします。また、次の監査も計画し、このプロセスを繰り返していきます。このようにコンテンツのライフサイクルを繰り返すことで、確実にコンテンツが適切であり続け、ユーザーに貢献し、ビジネス目標に合致しているようになるのです。
コンテンツ戦略 の4つの要素
コンテンツデザインのパイオニアであるクリスティナ・ハルヴォーソン氏が設立したコンテンツ戦略コンサルティングのリーディングカンパニーであるBrain Traffic は、「Content Strategy Quad」を開発し、同社が2018年にブログ記事で発表しました。
「The Content Strategy Quad」は、4つの要素を2つのパートに分けて使います:
パート1 – コンテンツデザイン:コンテンツや UXデザイン戦略を通じて、ユーザーの問題を解決する。
- 編集戦略
- エクスペリエンスデザイン
パート2 – システムデザイン:システム、アーキテクチャ、インターフェース、コンテンツデザイナーが取り組むべき技術的制約など
- 構造エンジニアリング
- プロセスデザイン
編集戦略
編集戦略では、ビジュアルコンテンツと、原則、音声、トーン、ブランド、文法などを含むコピーのガイドラインに焦点が当てられ、製品にデザインシステムが採用されている場合は、コンテンツチームがそのガイドラインを文書で定めます。
良例として、Stack Overflow 社の、社内の Stacks デザインシステムにおける「コンテンツ・ガイドライン」があります。
スタイルガイドやデザインシステムで明確な編集戦略を打ち出すことで、クリエイターがブランド価値やユーザーニーズに沿った一貫性のあるコンテンツを提供できるようになるのです。
Brain Traffic によると、編集戦略は以下をどうするかについての答えを出します:
- 編集方針
- ターゲットオーディエンス
- 視点
- 声やトーン
- 準拠すべきブランドと言語基準
エクスペリエンスデザイン
エクスペリエンスデザインは、製品の UX とコンテンツとの関連性を分析し、コンテンツデザイナーは、解決すべき問題を理解すべく、製品のさまざまな対象者、カスタマージャーニーマップ、ユーザーニーズの評価をしないといけません。
Brain Traffic のエクスペリエンスデザインは、以下をどうするかについての答えを出すことを目的としています:
- ユーザーのニーズや嗜好
- コンテンツのエコシステム
- カスタマー・ジャーニー
- 必要なコンテンツ・フォーマット
- ウェブ、モバイル、タブレットなど、さまざまなプラットフォームにおけるコンテンツのデザインパターン
構造エンジニアリング(コンテンツエンジニアリング)
構造エンジニアリングは、製品の情報アーキテクチャ、各インターフェースのレイアウト/構造、ユーザーのコンテンツへの関わり方などを検討するものです。
Brain Traffic のコンテンツエンジニアリング班 は、以下をどうするかについての答えを出すことを目的としています:
- 「探して見つける」コンテンツの構成法
- ユーザーにとって最も直感的なタグ
- 効率的な管理のためのコンテンツ分類法
- 将来的な再利用のために、コンテンツの組み立て方
- 個別化、ダイナミックデリバリー、情報アーキテクチャの要件
プロセスデザイン
プロセスデザインは、「コンテンツライフサイクルのワークフローはどうするか」や「 UXコンテンツ 戦略の各側面について誰が責任を持つか」など、コンテンツガバナンス(作成、レビュー、編集、承認)に重点を置いています。
Brain Traffic のプロセスデザインでは、以下の点に重点を置いています:
- コンテンツのライフサイクルの進み方
- コンテンツの作成、配信、維持に使うツール
- コンテンツに義務と責任を追う人、また、その過程で、相談や情報を提供する必要がある人
- コンテンツの品質やパフォーマンスを測定するために用いる基準や指標
- 既存のコンテンツを管理する時期と方法
- 拒否できる人
UXPin Mergeでプロトタイプ、テスト、イテレーションを行う
コンテンツデザインのプロセスは、通常の UX デザインのワークフローと何ら変わりはなく、コンテンツデザイナーは、ユーザーのニーズを満たすコンテンツソリューションを見つけるために、プロトタイプ、テスト、およびイテレーションを行う必要があります。
従来のデザインツールでは、デザイナーは美しい UI を構築できますが、正確なプロトタイプやテストを行うための忠実度や機能は提供されていません。コンテンツデザイナーやUXライターの多くには、このようなツールを使いこなすスキルがなく、プロトタイプの能力が制限されてしまいます。
UXPin Merge があれば、コンテンツデザイナーは、コンポーネント、パターン、テンプレートなどの製品のデザインシステムをUXPinのデザインエディタと同期させて、最終製品のような外観と感触のプロトタイプを作成することができます。
このような既製コンポーネントは、コンテンツデザイナーがゼロからデザインすることを心配する必要がないということであり、それによって UI 要素をドラッグ &ドロップして完全にインタラクティブなプロトタイプを作成し、エンド ユーザーでテストすることに重点を置けるようになります。
TeamPassword は、非デザイナーが UXPin Merge を活用して製品のユーザーエクスペリエンスをテストできることを示す素晴らしい事例です。TeamPassword には UX 部門がないため、デザイン ツールの経験がないエンジニアが UXPin Merge を使ってプロトタイプを作成し、テストしています。
例えば完全に機能する動的なフォームフィールドでの、ユーザーエンゲージメントに基づくエラーメッセージのテストの実施が可能になるように、ユーザーは最終製品を使うような感じで Merge プロトタイプを操作することができ、コンテンツ デザイナーはテストとイテレーションのための正確なデータを得ることができます。
世界最先端のプロトタイピングツールで、テスト中に正確なフィードバックを得て、ユーザーニーズを解決する有意義なコンテンツを作成しませんか。詳細とアクセスリクエスト方法については、Merge ページをぜひご覧ください。