追求すべき「 UXメトリクス 」とは?
UX(ユーザーエクスペリエンス)は曖昧であることが多く、正しい UXメトリクス と KPI (重要業績評価指標)は特定されにくいのですが、デザインチームや製品チームは自分たちのソリューションが機能しているかどうかを知りたがり、ステークホルダーはさまざまなプロジェクトのROI(投資収益率)に関心を寄せています。
正しい UXメトリクス とKPIの選択は、組織のUXの成果を評価し、競合との比較において自社製品を評価するために極めて重要です。本記事では、これらのメトリクスと、CX(カスタマーエクスペリエンス)のさまざまな側面を測定するためにどの指標を使用すべきかを見ていきます。
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UXメトリクス と KPI を追跡する理由
UXメトリクス を追跡することで、デザインチームやステークホルダーは、組織のUX戦略が効果があるのかや、各デザインプロジェクトの成功度を知ることができます。
UXとユーザビリティは、使用者の製品の使用に対する満足度や、デザインソリューションが彼らのニーズを正しく満たしているかを企業に伝えるメトリクスであることから、製品の成功には不可欠な要素です。
顧客満足度は、顧客維持、コンバージョン、その他のマーケティングや販売のメトリクスに重要であり、最終的には組織の収益に影響を与えます。
UX KPI は、企業が様々なUXの目標や目的を確実に達成するために、パフォーマンスをベンチマーキングし、長期的に進捗を追跡します。
UXメトリクス の種類
他の測定フレームワークと同様に、UXの測定基準には2つのタイプがあります:
- 定性的なデータ:感情、ロイヤリティ、ユーザビリティ、ユーザー満足度などの主観的データ
- 定量的なデータ:数値や比率、その他測定可能なデータ
UX測定における課題は、多くの測定基準が定性的であるということです。定量的なデータは分析が比較的簡単で、数値は上がるか下がるかのどちらかですが、アナリストやステークホルダーは、(意図的または不正確に)データを誤解したり偏った見方をしやすいため、定性データをより綿密に扱う必要があります。
NPS(ネットプロモータースコア)
NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客が自身の製品を推奨する可能性を測るため、重要な UXメトリクス となります。NPSが高いということは、自身の製品がユーザーの問題を解決し、その経験を他の人に伝えようとする傾向があることを示しています
NPSは、顧客の製品や機能に対する満足度を1点(最低)〜 10点(最高)で尋ねることによって出され、企業はその結果を以下の3つのグループに分類します:
- 推奨者(9点または10点):最も忠実な顧客
- 中立者(7点または8点):満足しているが製品を薦める可能性が低い顧客
- 批判者(0〜6点):製品の使用を中止し、他の顧客の購買意欲を低下させる可能性がある、不満がある顧客
SUS(システムユーザビリティスケール)
SUS(システムユーザビリティスケール)は、デジタル製品の総合的なユーザビリティスコアをUXデザイナーに提供する10の質問項目です。SUSの歴史は80年代にさかのぼり、現在でもユーザビリティ測定のための優れたUXメトリクスとされています。
SUSについての詳細と、この重要な UXメトリクス の使用方法については、HubSpotの記事がオススメです。
CSAT(顧客満足度)
CSAT(顧客満足度)は、製品や機能に対して顧客がどれだけ満足しているかを測るものです。CSATの測定には、いくつか方法があります:
- 【はい/いいえ】の質問:例えば「この製品はタスクXを完了するのに役立ちましたか?」の質問で パーセンテージのスコアが作られます。
- 10段階評価などのスケール評価:例えば、(一方の端が不満で、もう一方の端が満足している1〜10のスケールを設けた)「今日の経験にどの程度満足していますか?」という質問で、 スケールに基づいて集計スコアが作られます。
タイムオンタスク
タイオンタスクは、ユーザーが特定のタスクを完了するのにかかる平均時間を出し、特に、生産性とパフォーマンスの向上のためにデザインされた企業向け製品では、製品の効率性を示す素晴らしいメトリクスとなります。
CSATとは異なり、タイムオンタスクはユーザーからの入力が不要ですが、その代わりにデザイナーは結果を測定・集計する分析ツールを使用します。
CES(カスタマーエフォートスコア)
あるタスク完了における顧客にとっての難易度を測るのに、企業はCES(カスタマーエフォートスコア)を使用します。CESは、ユーザーに経験について質問し、その答えに尺度をつけて測定されます。
例えば:
- 質問:機能Xの使いやすさはどうでしたか?
- 難易度1~10:1=とても難しい、10=とても簡単
エラー率
エラー率は、製品や機能によって誰かがタスクを完了できなくなる頻度を示します。システムエラー率は、顧客の製品の使用や推奨を躊躇させる可能性があるため、重要な UXメトリクス になります。
私たちは、エラー率をできるだけ低く抑えることを目標に、パーセンテージで表示しています。例えばエラー率が高い場合は、ユーザビリティに重大な問題があり、デザイナーが直ちに調査して修正しなければならないことを示しています。
完了率
完了率(またはタスクの成功率)は、タスク完了の回数を示すものです。完了率は、バグやユーザビリティの問題など、より大きな問題を示す優れたメトリクスとなり、例えば完了率が突然低下した場合、新しいリリースに起因するシステムエラーまたはユーザビリティの問題がある可能性があります。
完了率はさまざまな要因に影響されるため、製品チームは、何かがうまくいっていないことを示すメトリクスとして、このメトリクスをモニタリングするといいでしょう。
エンゲージメント
エンゲージメントは、顧客の満足度や充実度を表すもう一つのメトリクスであり、企業はこれで顧客の製品の使用やインタラクションの頻度がわかります。UXデザイナーは、ユーザーエンゲージメントを出すために、メトリクスをいくつか組み合わせる必要があります。製品によって異なりますが、以下のような例があります:
- ユーザーの使用時間
- PV(ページビュー)数
- ユーザーのスクロール量
- コンテンツや他のユーザーとの関わりの有無
- 製品を使用している間に完了したタスクの数
製品と組織には、それぞれエンゲージメントを測るためのさまざまな方法論とメトリクスがあります。
コンバージョン率
コンバージョン率は、フォームへの入力、売上、サインアップ、取引、その他のビジネスメトリクスに対する変換率を決定するため、非常に重要です。
デザイン上の判断がコンバージョンにプラスにもマイナスにも作用するため、デザイナーはこのビジネスメトリクスに細心の注意を払う必要があります。
UXメトリクスと KPI の追跡方法
UXのメトリクスやKPI追跡のためのツールやテクニックはいくつかありますが、以下のステップバイステッププロセスで、パフォーマンスを追跡・測定する方法を簡単にご説明します。
ステップ1: ベンチマークの定義
ベンチマークは参照ポイントであり、通常は、組織が定性的および定量的メトリックの両方のパフォーマンスを測るための出発点です。ベンチマークは、改善又は悪化の判断するため、UXメトリクス測定にはベンチマークの確定が不可欠です。
例えば、タイムオンタスクは、ユーザーが商品を購入するような特定の目標を完了するのにかかる時間を判断するのに使用される、一般的な定量的UXメトリクスであり、UXデザイナーは、プロジェクト開始時に製品購入にかかる時間をベンチマークし、リリース後にそのメトリクスが改善されたかどうかを判断する必要があります。
ステップ2:目標設定とKPI(重要業績評価指標)の設定
- 目標:組織が達成したいこと
- KPI(主要業績評価指標):組織が目標に向けてパフォーマンスを追跡するために使用するマイルストーン
目標を設定することで、デザインチームは改善の目標を持つことができます。組織は通常、パフォーマンスを測るために複数のKPIを持つ大きな長期目標を設定します。
例えば、NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客が製品を推奨する可能性を測るもので、通常0(最低)~10点(最高)で測定されます。この製品の現在のNPSは6ですが、ステークホルダーは12ヶ月で9以上に50%増加させ、四半期ごとに12.5%増加させたいと思っています。
- ベンチマーク:6
- 目標:9
- 四半期ごとのKPI:各四半期で0.75ポイント上昇
ステップ3:パフォーマンスの測定
目標とKPIを設定したチームは、パフォーマンスの測定に様々な分析ソフトウェアやテクニックが必要です。そのソフトの例としては、以下のようなものがあります:
- Hotjar :ユーザーの行動をモニタリングするためのスクリーンレコーダーとヒートマップを備えた素晴らしい定性的測定ツールであり、Webサイトやモバイルアプリのためのクイックサーベイツールもあり、様々なUXメトリクスの測定が可能
- Baremetrics:チャーン率、コンバージョン、収益など、より定量的な数値データを測定
- Google Analytics:フロー、タイムオンタスク、コンバージョンなど、ユーザーを追跡するためのGoogleの無料分析ツール
- Optimizely :2つのデザインのパフォーマンスを比較するためのA/Bテストツール
ステップ4:UXメトリクスの報告
UXのメトリクスを報告することで、デザインチームとステークホルダーは長期的な目標に向けたパフォーマンスを追跡し、各デザインプロジェクトの成功度を測ることができます。
UXメトリクスレポートには、一般的に4つの主なデータポイントが表示され、通常はグラフやグラフィックで表示されます:
- ベンチマークまたは開始時の基準
- 目標KPI
- KPIに対するパフォーマンス
- 望ましい目標
UXのレポートは、簡潔で透明性のあるものでなければなりません。UXデザイナーは、チームメンバーやステークホルダーが調査結果を確認できるように、データの収集と分析に関する参考文献を含めておく必要があります。
ステップ5:UXメトリクスをもとに行動する
デザインチームは、KPIに対応するための実行可能な計画を持つ必要がありますが、例えば、パフォーマンスが悪化したり、特定のKPIを満たせなかったりした場合はどうなるのでしょうか?
UXメトリクスは、データ集めのためのフレームワークではありません。UXデザイナーに、ユーザーと組織のために反復し、改善するためのメトリクスを提供するものなのです。
UXPinによる製品パフォーマンスの向上
お客様のニーズを満たす、便利で楽しい、魅力的なユーザー体験を創造することは、すべてのUXデザイナーが目指すゴールです。優れたUXのデザインは、適切なツールの使用から始まります。
UXPinのコードベースのデザインツールは、UXチームが正確なプロトタイプを作成して、ユーザビリティとアクセシビリティの問題をテストし、特定することを可能にします。リリース前にこれらの問題を解決することは、組織のUX戦略や目標を達成するために非常に重要です。
ベクターグラフィックスをレンダリングする画像ベースのプロトタイプとは異なり、UXPinは、HTML、CSS、Javascriptを生成し、デザイナーによるコード化された製品の機能性と忠実性の正確な再現を可能にします。
UXPinはまた、UXデザイナーがユーザビリティやアクセシビリティの問題に対処し、解決策を見出すための迅速なプロトタイピングを可能にします。自社開発のデザインシステムでも、組み込みのデザインライブラリでも、UXデザイナーはコンポーネントをドラッグ&ドロップするだけで、ユーザビリティテスト用のプロトタイプをすばやく作成することができます。
UXPinを使用すると、プロトタイプ作成が速くなるだけでなく、UXデザイナーはより高い忠実度と機能性を実現し、ユーザビリティ参加者やステークホルダーから有意義で実行可能な結果を得ることができます。
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